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恐怖の対象 ページ12

「ん…ここは」

夜…空が見えるから外?

「目が覚めたか…!」
「A…!」

そう言い顔を覗き込んで来たのはあらゆる箇所に手当を施しているサボとエースだ。

「よかった…!本当に…!」

サボは私の手を掴み激しく振った。

「い、いた…」
「あっ悪い!」

エースも安堵の表情を浮かべているが、唐突にムスッとした顔になる。

「おい…お前なんで待たなかったんだよ」

なんでって…

「だって二人が危ないと思ったから…」

二人が危ない目にあっているのに黙って見ているだけなんてありえない。
一瞬目を見開き驚くサボとエース。
何か変なことを言っただろうか?

「だからって死ぬかもしれねェのに出てくんな」

「そうだぞ、俺らはまだここに慣れてるからいいけどお前は細ェし女だし…」

「で、でも死ぬかもしれないのは一緒だよ!」

そうだ、二人がいくら強いとは言え死んでたかもしれないんだ。
そう思うと怖くて身体が震え出す。
止めたいのに、手足は言うことを聞かない。
虎に殴られた痛みなんてとうに忘れていた。

「お、おい」

エースが慌てだす。

「お前、虎の前に投げ出された時は怖いって顔しなかったのに…」

サボが不思議そうに眺める。

「だって…私と関わった人がいなくなる方が…死ぬよりずっとずっと怖い」

そう言うと二人は先程より大きく目を見開いた後、顔を合わせため息を吐いた。
そんなに変なことを言っているだろうか。

「そうだとしても無茶するな」

「お前ほんと…変なやつだな」

困り顔で近づいてくるサボは私を抱きしめた。

「サ、」
「!?」

「だいじょーぶだいじょーぶ!
俺らは死なねェ!な!」

トントンとあやすように背中を優しく叩かれると、手足の震えが段々治まってくる。
本当に…ここに来てからは人の優しさに触れてばっかりだ。

私も控えめにサボの背中に手を回すと、パクパクと口を開閉して放心しているエースが見えた。

「サボ!てめェ〜!!」

「いった!なんだよエース!!」

「ふ、二人とも怪我してるんだからやめなって」


その日の夜は大きな木の幹の影で、三人の声が重なった。

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Keiko03090407(プロフ) - 続き気になる(っ ॑꒳ ॑c)ワクワク (2022年11月3日 1時) (レス) @page42 id: 0dc3919b36 (このIDを非表示/違反報告)
ベーコン?(プロフ) - この作品めちゃくちゃ好きです…!!続きめっちゃ気になります!! (2022年8月18日 13時) (レス) id: 45dc28a220 (このIDを非表示/違反報告)
お猫 - 好きすぎるぅ! (2022年8月18日 12時) (レス) @page42 id: 34150a8be7 (このIDを非表示/違反報告)
air(プロフ) - あくもんさん» とても嬉しいコメントありがとうございます…!あくもん様の応援に応えられるように頑張りますね…!ψ(。。) (2022年8月13日 18時) (レス) id: 3c653399f3 (このIDを非表示/違反報告)
あくもん(プロフ) - この作品めっちゃ好きです!続きが気になる………!!無理しないでこれからも更新頑張ってください!楽しみに待ってます!! (2022年8月12日 23時) (レス) @page41 id: cfb31e7c1d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:air | 作成日時:2022年7月14日 20時

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