【ワンピース】二度恋をする【盃兄弟】

プロローグ ページ2

「離せっ！離してよおじさん…！」

ガープの脇に抱えられた小さな少女が、痛々しいほどの包帯を巻き付けながらも暴れている。

誰だアイツは。それが最初の感想だった。

到着と同時に投げ込まれる体躯を一瞥し、俺はジジイに向き直る。

「んだコイツ」
「ワシが拾ってきた。話の聞かん小娘ですまんがダダン、面倒見てやってくれ」
「はぁ？いい加減にしてくれよガープ…ガープさん、うちはガキ置き場じゃねぇ」

尚もわちゃわちゃと反対しているババア…ダダンは凄みながらもジジイには勝てないようで

「す、ま、ん、が。よろしく頼む」
「ﾁｯ…」

黙ってしまった。

「歳は…エースと同じくらいじゃろうな、名前はA。最初はちぃと暴れるかもしれんがエース、頼んだぞ」
「はァ？なんで俺が。断る。」
「じゃあなA、たまに様子見に来るから大人しくしとくのが得策じゃぞ〜」

俺の発言に構うことなくヘラヘラと扉から出てったガープに、ババアは激しいため息を着いていた。


「ガープのやつ…私らに面倒事を押し付けやがって…おいA！」

睨みながらも体をビクッと震わせたその少女は尚も無言を突き通す。

「ったくアイツが連れてくるガキはなんでこうも愛想の欠けらも無いんだい…あんた…その身体どうしたのさ」
「…」
「こっちに敵意はないんだ、ちょっとは話したらどうだい？」
「…わ、私に」

初めて聞いた少女の声と、震える身体。
ゆっくりと言葉を話し出した。

「…私に、関わらないで」

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