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残英*Sans[切なめ] ページ5

…昔の写真を見つけてしまった。
サンズが幸せそうな顔をして写っている写真を。
チクリ、と胸が痛むのを感じて自分でも抑えられない感情が蠢いた。

「馬鹿だね」

心の中でキャラが笑う。

「彼の全部を知った気でいた?」

ちがう

「少し夜を重ねたくらいで、彼の過去を包み込んだ気でいた?」

ちがう

「本当に君は馬鹿だね」

やめて、やめてよ



「いくら君がもがいたって…
──今の彼が過去より幸せになることなんてないのに」


「やめて!!!!」

どこかでわかっていたことを無理矢理聞かされて最悪な気分だった。
いくらか時間が経って私の叫び声を聞いたサンズが私の元へ寄ってくる。

「どうした、A!?」

なおも涙が止まらず状況を説明できない私にサンズは困り果てているようだった。

ふと、私が握っている写真に彼は気づき、苦いような不思議な顔をした。

「……お前さん、これ」

「……」

「…はぁ」

少し迷ったあと、サンズは私のことを優しく…優しく抱きしめてくれた。
そのことで少し落ち着けた私は零す。

「……ごめん、勝手に見ちゃって」

「…いや……こんなところに放ってたオイラも悪い」

「…サンズが、幸せそうに見えて……なんか、悲しくなったの」

「……ガキだな」

「…ごめんなさい」

なおも下を向き続ける私にサンズは言いにくそうにも語りかけてくれる。

「あー…あのな?お前さん」

「…うん」

「この写真は、…まぁ大切なものだ」

うん、わかってるよ、わかってるから…
こんなに胸が痛いんだよ、そこに私はいないんだなって、思うんだよ
曇りない彼の言葉にまた泣き出しそうになった時

「でも…これと同じくらい…
あーいや、それ以上にオイラは…お前さんが大事だぜ?」

予想外の言葉にビックリしながらも私はサンズを見上げる。
恥ずかしそうに首に手を当てながら目を逸らしているサンズを見て、心の底からホッとした。


あぁ、私はこんな優しい彼のことを疑ってしまったのか

なおも包み込んでくれている彼のことがより一層愛おしく感じて、その温もりに体を任せた。

起こしてみた[part1]*Sans→←微睡み*swap Papyrus(Honey)"AU"



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おなんこなす(プロフ) - はじめまして!めちゃくちゃキュンキュンさせて頂きました...。もっと見たい。なんて欲が...汗  もしよろしければまたお話を書いてください!!! (2021年1月7日 1時) (レス) id: 06cab6da49 (このIDを非表示/違反報告)
サクシャ - 初コメ失礼します!とても面白い作品でした!途中、私の理性が切れそうになったくらい、甘々で楽しめました!(ハァト) (2020年11月1日 18時) (レス) id: e642cc44be (このIDを非表示/違反報告)
茄子猫 - なにこれ、神?(週5くらいでみてる) (2020年2月9日 0時) (レス) id: 9df501902d (このIDを非表示/違反報告)
air(プロフ) - カマ猫さん» わぁぁありがとうございますヽ(*´∀`)ノまだまだ練習中で更新もちまちましてて至らないところもありますがこれからも応援お願いします!! (2019年10月28日 22時) (レス) id: ac88539fe7 (このIDを非表示/違反報告)
カマ猫(プロフ) - 初コメ失礼します。砂糖と練乳を口の中に詰めてるような甘さにとっても癒されています!文才があって羨ましい限りです…分けてくださいませんか?((更新頑張ってくださいね、応援しております。 (2019年10月27日 18時) (レス) id: 653c616fde (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:air | 作成日時:2019年10月4日 17時

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