【UNDERTALE】一場の春夢【短編集】

駆け引き*swap Papyrus(Honey)"AU" ページ12

｢パピルス、ほら起きて
今日は家の掃除するって昨日約束したでしょ｣



ぐうたらなパピルスが手に負えなくなったサンズはちょうど一週間ほど前、私の所へ助けを求めに来たのだ。

｢散乱する靴下も吸殻もうんざりだ！
A！助けて！｣

とぴょこぴょことお願いするサンズに折れてその願いを一応受け入れたのだが、
あの兄弟ですらやる気を出させるのが難しいのにできるのかな…と思いながらもやっと昨日…



｢だったら…掃除したらAが何でもしてくれるなら、やってやらないこともない｣

｢…割に合わなくないですか｣

なんてお願いだ。と思いつつもそんな条件を出す彼は簡単に折れたりしないんだろうなと悩んでいた私だった。が。

｢じゃあ知らねぇ〜サンズィにでも
お兄ちゃんのやる気出させるの無理だったよー
って泣き面晒せばいいんじゃねぇーの｣

｢なんでそれ知って｣

｢わかるだろ、普通｣

｢…｣

ずるい、こいつは私の弱みを知ってる。
サンズに見栄を張りたい私は彼を前に出されて焦心していた。
そんな私にパピルスは更に追い打ちをかける。

｢ほら、サンズィにみっともない所見せるか？それとも俺の言うこと素直に聞いて部屋も綺麗にするか？｣

｢…〜っわかったよ｣

｢…言ったな？なんでもするな？｣

｢……お手柔らかにお願いします｣

割に合わない条件を渋々飲んで、やっと掃除をするところまで約束できたのだ。
しかし彼はやっぱり物事を躱すのが上手いみたいで。

｢ん。じゃあ掃除はする｣

｢…って、なんで寝ようとしてんの｣

｢だってもう夜遅いぜ？明日でいいだろ｣

｢…でも｣

｢ほら、来いよ｣

と大きく腕を差し出し、暖かそうなふわふわの布団と一緒に眠気を誘ってくる。

｢…ずるい｣

｢とか言って、自分から布団に入ってんじゃねぇか｣

そんな優しい顔して腕を広げられたら、断ることなんてできないと知ってるだろうに。

布団に入った私を優しく抱きしめ眠りにつく彼の鼓動を感じながら
お願いの内容への不安と、掃除をさせるケツイを抱いて私も眠りに落ちていくのだった。



続く→

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