甘味所【甘露寺蜜璃】 (ページ17)

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17話ページ17

久しぶりに甘味処へ来た

暫く仕事で忙しくてあれきりだったものね
お姉ちゃんにもやっと会えるっ！！

「あれ、蜜璃ちゃん！
　いらっしゃい！」

「忠久さん！お久しぶりです！」

「ははっ、Aだね
　おーい！蜜璃ちゃんが来たぞー！」

忠久さんが奥に声をかけると、お姉ちゃんがすぐに出てきた

『蜜璃！いらっしゃい！
　さぁさぁ！座って！』

お姉ちゃんもすっかり元気になって

私の事を蜜璃と呼ぶようになってくれた

幸せだなぁ

「桜餅50個お願いします！」

『え、50個！？』

あ、しまった……流石にこれは引いちゃうかな…

『す、凄いわっ！
　私達本当に世界一の姉妹かも…』

「え…？」

すると、笑いながら忠久さんが教えてくれた

「ははは！実は今日はな、何だか
　桜餅が多くなくなりそうだから在庫に
　50個足しておくって、朝から仕込んでたんだ
　よ」

「えー！！」

『ふふっ、待っててね！今お茶も入れてくるか
　ら！』

そうして奥に消えた、先に10個殆ど忠久さんが出してくれたので先に少しずつ食べていた

「……君は！！Aさんの………」

そんな時聞き覚えのある声が聞こえた

目を見開く

そこに居たのは、お姉ちゃんの元婚約者だった

「ま……松簿理様…」

すると、嘲笑うかのように口元に手を当てて見下してくる

「君、よくその各校で外に出れるね
　………それにこの店、噂でAさんが
　結婚して働いていると聞いたけれど
　………何て古臭くてボロいんだ…
　Aさんはこんな所で本当に
　大丈夫なのかい？」

この人はとても権力のある親のお防ちゃま
反論してはだめよ
　

唇を噛み締めて耐えた

「あの、その子に何か？
　私の義妹なのですか」

「忠久さんっ………」

「貴方がAさんの…………
　はぁ…、何もかもが釣り合わない
　あんなに綺麗で才のあるAさんが
　どうして貴方みたいな凡人を選んだのか
　………それもこれも君のせいだよ、
　あの日、君が居なければ婚約は成立した
　……君がこの世に……居なければ…」

パン

乾いた音がしたと思ったら

忠久さんが松簿理様の事を叩いていた

「この世に居なくていい人間なんて居ない
　貴方が決める事でもない
　どんなに権力や財力があろうとも、他人
　に価値を付けないでください
　この子は、大切な妻の妹であり、
　俺の義妹なんです」
　