2話 ページ3
手当を進める中、私は何度も話しかけたが、
霞柱様は「うん」とか「へぇ」など二言で終わらせ、私の話を聞いているようでは無いため諦めた
ただ、それ以上に驚いたのは霞柱様の怪我の多さ
骨折は5本、それに加えて大分失血もしている
『ここまで怪我をするなんて……
どうして無理をなされたのですか？』
そう問えば
「君に言う必要ある？」
と返された
この人は私よりずっと上の上の立場の人
私なんかが口答えできるような人ではない
『……いいえ』
沈黙が流れる
この空間から早く抜けたくて手早く手当を済ませると、適当に挨拶をして病室を出た
『………はぁ、なんだか疲れた』
できればもう二度とあの人とは関わりたくない
…………そんな思いは虚しく、霞柱様は少しでも怪我をすると必ず蝶屋敷へ来るので、その度私が手当をしていた
いや、何故？
しのぶ様に聞けば
「あら、気に入られちゃったんですかね？
歳も近いし、Aも丁度いいじゃ
ありませんか」
『………私、あの人苦手です』
すると、しのぶ様は優しく微笑む
「人には何かしらの思いがあります
それは、過去の記憶と連動して作られるも
の、今の時透君は危ない
………A、私は信じていますよ」
『え…？』
私が問い返す前にしのぶ様は消えてしまう
本当に足のお速い御方だ
『……信じてる……って言われてもなぁ…
あの人、私の事………いや、無いわ』
独り言を呟きながら、今日も私は霞柱様の手当をするために薬を作る
『今日は切り傷ですね、けれど数が多いです
無理はしないでください』
「うん」
いつもの様に、包帯を巻いていたが、手を止めて問いかけた
『霞柱様、少し宜しいですか？』
「うん」
『私の事、どう思われます？』
「？………君の事？」
霞柱様は首を傾げて訝しそうに私を見る
少し考えて
「扱いやすい女？」
『……………左様ですか』
しのぶ様、この人は私の事をそう思っていられるそうですよ
私にどうしろというのですか？
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花みたいに(プロフ) - 名無しになりたいさん» 本当です！直しておきました！本当にありがとうございます！ (2019年12月1日 23時) (
レス) id: 248b61614a (このIDを非表示/違反報告)
名無しになりたい - 1話の【超屋敷】は【蝶屋敷】の誤りでは…？素敵な小説でした。 (2019年12月1日 17時) (レス) id: af163a7b99 (このIDを非表示/違反報告)
花みたいに(プロフ) - ありがとうございます！ (2019年11月25日 6時) (レス) id: 248b61614a (このIDを非表示/違反報告)
真冬 - すっごく素敵な作品でした。 (2019年11月24日 19時) (レス) id: eb4bf42b53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花みたいに | 作成日時：2019年10月29日 5時
