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16話 ページ19

『貴方鬼ね!?』

「おいで……おいで
 痛くない…辛くないよ」

私の腕を握った鬼の手はどんどん上へ上がってきて私の肩を掴む
私の力では到底振り払う事も出来ず

『こんっな所でっ………
 死ぬわけには行かないっ!!』

「……本当に?」

『ええそうよ!私はまだ仕事もある
 しのぶ様達も待っている!!
 霞柱様とだって……やっとっ!!』

「あと少しなのに?」






心臓を鷲掴みにされた気分だ



「痛いよね辛いよね苦しいよね
 自分の夢も叶わずあと少ししかない
 ……もう眠ってもいいんだよ?
 お月さんは全部許してくれる、私もよ
 ずーっとずーっと……遊びましょ?」

 

私は俯いた







「ね?ほら……でも私が貴方を救ってあげる」








『っ…………クスッ……ふ…あっははははっ!』

私は大きく笑う
鬼も驚いている

ざまあみろ


『あー、おかしっ!
 鬼が私を救う?笑わせないでよ
 それに、確かに前の私ならここで全て
 手放していたかもしれない………

 でもね、あの人が私を認めてくれた
 無意味なんかじゃないよって

 だから、あと少しの間でもこの命を
 燃やし尽くすんだよっ!!!』



「小癪な娘がっ!!」

鬼の手が私の頸へ伸びて来て締め付ける



「せっかく痛い思いをしないように喰ってやろ
 うと思ったのに……
 魂を先に喰って辛くない様にしてあげたの
 にっ………
 アハハハ、残念だけどここは現世と陰世
 の間、助けは来ない
 精々苦しんで死んで?」

『グッ……………可哀想……な…鬼ね』

すると無い瞳を大きく見開いて更に力を強めた
「可哀想…?可哀想…可哀想……
 ………何?可哀想って、ねぇ、早く死んで
 早く喰わせて、遊ぼう遊ぼう?」

鈴の様な高い声が私の意識を段々と追いやって行く

まずい……視界がぼんやりとしてきた



息が出来なくて……苦しい肺が破裂しそう



すると


パリッ

絶対にしてはいけないような音が身体の奥から聞こえた


死ぬの?……こんな所で?
嫌だ…嫌だ……
まだ、あの人の所に帰らなきゃ……いけ…な…い…



突然頸の力が抜けて私は身体を大きな力で引っ張られる
体の力が抜けて倒れそうになれば、その人は
私をしっかりと抱き締めてくださった


「………ねぇ、この子さ僕のなんだよ
 勝手に連れて行くとか許されないから」

『ゲホッ…ゲホッ……かすみ…柱様っ…』


その人の横顔は多分今までで1番恐ろしかったでしょう

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花みたいに(プロフ) - 名無しになりたいさん» 本当です!直しておきました!本当にありがとうございます! (2019年12月1日 23時) (レス) id: 248b61614a (このIDを非表示/違反報告)
名無しになりたい - 1話の【超屋敷】は【蝶屋敷】の誤りでは…?素敵な小説でした。 (2019年12月1日 17時) (レス) id: af163a7b99 (このIDを非表示/違反報告)
花みたいに(プロフ) - ありがとうございます! (2019年11月25日 6時) (レス) id: 248b61614a (このIDを非表示/違反報告)
真冬 - すっごく素敵な作品でした。 (2019年11月24日 19時) (レス) id: eb4bf42b53 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花みたいに | 作成日時:2019年10月29日 5時

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