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13話 ページ16

『………けれど、私はその最終選別の日から
 刀を捨てました………ある事情で
 ………私は母の敵を…カナエ様の敵を打ちたく
 て鬼殺隊に入りました
 ………どんな事情であれ刀を捨てるべきでは
 無かった…………なのに、しのぶ様も、カナヲ
 も……誰一人として私を責めてはくれなかっ
 た
 ………思うんです、母は私を最後まで呼んでい
 たのに、私は自分の身を隠していた
 こんな卑怯者より、あの家族たちは生きる
 べきだと』


「それは違うでしょ」



雰囲気がぶち壊され、思わず顔を上げると
指で額を弾かれる


『っ〜!?』

「カナエ様も、母親も生きて欲しかったんでし
 ょ?
 それに、君が無理をして刀を握って死なれた
 らそれこそいけないことじゃない?
 そうやってその人達の事を深く考えるのは
 思いやりとは違うの?」


『……………私、このままでいいんですか?
 刀を捨てて………』

「刀を捨てなくちゃ、僕は今こうして
 君と一緒にいれなかった
 僕は、このまま君にここにいて欲しいし、
 薬剤師の方が合ってると思うけど」



この人は、私の全てを今認めてくれた
ずっと悩んでいた事をあっさりと打ち消してしまったのだ


カナヲの言っていた事が少し分かった
第三者から見て

この人だからこそ、私の悩みを打ち消してくれた

このまま生きていていいと認めてくれた



『ヒッグ………うッ………』

「また……泣いてるの?」


霞柱様に抱き着いた

「は?」と声を出していたが、少しすると
私の頭をぎこち無く撫でてくれる

今は、どうしてもこのぎこちなさの中にある温もりに触れていたかった


「…………やっぱり泣き顔不細工だよね」

『………あ、引っ込みました
 涙引っ込みました………』








本当に雰囲気ぶち壊すのがお上手





『………おばか』

「何で?」

『……ふんだ、私部屋に戻りますから』


頬をこれ見よがしに膨らませて霞柱様の部屋の襖に手をかける

振り向かずに口を開く

『……私、貴方とこの任務に来れて良かった
 貴方に救われました、ありがとうございま
 す………任務遂行まで、私ももっと貴方を
 支えられるように頑張りますね』

「……ふーん」

『まったく、人がせっかく………
 ま、いいですよーだ』

そうして、私は自分の部屋に戻った








カナエ様、しのぶ様
私はやっと今、自分の生きる意味を見つけられた気がします

あと少し、最後まで人を支えていきます
それが私の生き甲斐なのです

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花みたいに(プロフ) - 名無しになりたいさん» 本当です!直しておきました!本当にありがとうございます! (2019年12月1日 23時) (レス) id: 248b61614a (このIDを非表示/違反報告)
名無しになりたい - 1話の【超屋敷】は【蝶屋敷】の誤りでは…?素敵な小説でした。 (2019年12月1日 17時) (レス) id: af163a7b99 (このIDを非表示/違反報告)
花みたいに(プロフ) - ありがとうございます! (2019年11月25日 6時) (レス) id: 248b61614a (このIDを非表示/違反報告)
真冬 - すっごく素敵な作品でした。 (2019年11月24日 19時) (レス) id: eb4bf42b53 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花みたいに | 作成日時:2019年10月29日 5時

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