桜が10輪 ページ11
何度も口付けを交わす
ああ………
この人を私は心から愛しているんだ
私は彼に寄りかかり、温もりを感じていた
時が止まればいいのに
明日の朝になれば、私は
もう……
沖田「神夜」
貴「何ですか?」
沖田「お前、普通になったな」
言葉の事だろうか
クスリと笑い、彼を見つめる
貴「普通の私は嫌いですか?」
沖田「お前バカだろ?」
貴「バカだから言葉にしてもらわないと
分かりません」
言うなあ、と笑い
私の頬をつねりながら
沖田「こーんな顔のお前も愛してまさぁ」
貴「いふぃふぁる!(いじわる!)」
こんな感じでどのくらい話していただろうか
彼が唐突に聞いてきた
沖田「なあ神夜
お前の過去を話してくれねえか?
ここに来る前の
夜兎としてのお前を知りたい」
貴「!!!!知ってたの………」
そりゃそうか
私は夜兎族の美少女として売られてきたんだから
でも、彼にならいいと思った
知ってほしいと
私を全て知ってほしいと
貴「はい………もちろんです」
ここからは私の昔話
家族と過ごした頃のお話になる
私は、両親と兄と妹
5人で貧しいながらも幸せに暮らしていた
ただ、母は身体が弱く
いつも、私と妹の世話をしてくれていたのは兄だった
強くて優しい兄
私の憧れ
可愛くてやんちゃな妹
私がお姉ちゃん
守ってあげたいと思った
父は、仕事で確か………
エイリアンハンター
だったかな、よく星を飛び回っていて
家に帰ってくるのはほんのたまにだった
あの頃は、汚い事とか、嘘とか
知らずに育っていた
そんな頃のお話だ
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作者名:花みたいに | 作成日時:2019年5月18日 16時