だから、渡辺は好きじゃなかった。【青】 (ページ9)

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＊至って真面目。ページ9

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渡辺の助けがあるとはいえ

今度の取引先の情報や、その資料がまた追加された午後。

ようやく1日の終わりが見えてきたのは、もうほとんどの人が帰ってしまって

フロアに人がまばらになっている時間帯だった。

左の席はすでに帰宅。

シンプルイズベストなデスク、入社時から変わらないなぁ。

右の席は……

リュックがあるからまだいるんだろうか。

と、思っていたら扉が開いて入ってきた人。

目黒「お。終わりそうですか？」

「うん、あと少し。深澤もまだいるの？」

目黒「います。明日俺たち出張なんですよ。」

「あぁ、その準備かー。」

目黒くんが近付いてくる。

私のきったない作業場を見学しに来たのかと思ったけど、

どうやらそうでもないらしく。

いいかな…と少しだけ迷った挙句

深澤の椅子を申し訳なさそうに引いてちょこんと腰かけた。

目黒「 Aさん、」

「告白？」

目黒「違います。」

「そんな真顔で返さないでよ。」

目黒「イケナベさん、カッコよすぎないですか？」

「 …うん？」

目黒「俺、すげぇ仲良くなりたいんですけど。どうしたらいいですか？」

「知らないよ！！」

目黒「え、だってAさんイケナベさんと仲良しって聞いたから。」

「誰に？」

目黒「ふっかさんです。」

「深澤……。」

深澤「んー？呼んだ？」

目黒「あ！ふっかさんちょうどいいところに。」

その後戻ってきた深澤と、そして目黒くんと

2人に攻撃を喰らいながらもようやく仕事を終えた私は

いつもよりどっと疲れて帰宅したのだった。

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