だから、渡辺は好きじゃなかった。【青】 (ページ29)

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＊初対面なのに。ページ29

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深澤「どぅええ？！あっ、康二ってあの時の康二か！」

向井「そうか、Aちゃんと一緒に来てたんふっかさんやったな。
すっかり忘れてたわ。」

深澤「おい、忘れんな。」

向井「そっちも俺のこと忘れてたやん。」

廊下で感動の再会を果たした康二くんは

深澤と目黒くんに用があったらしく

2人のデスクまで通せばこちらも感動の(？)再会を果たしたようで。

2年前にはまだうちに入っていなかった目黒くんは

終始ポカンと2人の様子を眺めていたけど

目黒「 Aさん、向井さんとどういう関係ですか？」

「あー。前に深澤と私で康二くんとお取引をしたことがあって。
彼、見ての通り人懐っこいから。
私も深澤もずいぶん仲良くさせてもらってたんだよね。」

と説明するとすげぇと目をぱちくり。

向井「せや、ふっかさんのバディはめめになったらしいけど」

「もうめめ呼びしてるんだ…。」

向井「 Aちゃんのバディも変わったってことやろ？」

誰？と聞く康二くんに対し

少し首をすくめながら、自分のデスクを振り返る。

「あれ、いなかった。」

けれどそこには渡辺の姿はなく。

目黒くんが言うには、印刷をしに行ったんだとか。

目黒「あーほら、戻ってきた。」

深澤「タイミングばっちしじゃん、なべ！」

向井「鍋？」

戻ってきた渡辺は相変わらずツンとしたまま3人の間を通り抜け

そのまま私を越そうと…したところで

向井「お？」

顔色一つ変えずに華麗にUターン。

勢いよく近付く渡辺に、康二くんちょっと怯え気味。

じーっと見つめた挙句、私の方を振り向いて一言。

渡辺「こいつ誰。」

向井「こいつ！！」

渡辺さん。こいつ呼びはやめましょう。

初対面ですよ。

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