＊優しいキモチ ページ6
.
わぁっとみんなが寄ってくる気配を感じて
そこでようやく
「 あの、 」
と小さな声を出した私。
恥ずかしい。
こんな状態で
「 渡辺さんすみません。
コンタクト取ったのに眼鏡を衣装部屋に置いてきて、見えてないだけです。 」
って言うなんて。
渡辺「 …あ、そうなの？ 」
呆れられたよね。絶対。
きっと一気に床に落とされる。
こくん、と頷きながら目をぎゅっと閉じた。
さぁ、落とすなら今ですっていう感じに。
なのに。
渡辺「 …良かった。 」
「 へ？ 」
それだけ言うと渡辺さんは、私をそっと降ろした。
それだけ。
たった一言。
でもそれは
相変わらずちょっと素っ気ないのに、いつもと違う。
その時、パタパタ足音が去っていって
それからしばらくするとまた足音が戻ってきて。
向井「 かばん倒れて眼鏡転がってたで。 」
手に乗せられた眼鏡をかければ
そこには大きく康二くん。
あれ…？渡辺さんは？
お礼言わなきゃ。
そうキョロキョロするけれど見当たらない。
どうやらどこか行ってしまったらしい。
向井「 か…かわええなぁ！見てやめめ、Aの眼鏡姿！ 」
｢ あっ、 ｣
そこでようやく、渡辺さんが部屋を出ていく後ろ姿が見えた。
その間ずっと
子犬がしっぽを振るみたいに満面の笑顔を見せる康二くん。
でもこれが、好きとかそういう感情で言ってるわけじゃないことは知ってる。
私が、
初めて会った時、人見知りを発揮して氷みたいに固まってた私が
少しでもみんなと笑えるように。
そういう康二くんの優しいキモチ。
目黒「 Aちゃん反応に困ってるじゃん(笑)
いつもごめんね、うちの康二が。 」
向井「 うちのって言うた？！
いやぁ困るなぁ、俺はめめだけのものちゃうで。 」
目黒「 …はいはい。 」
だから私も、思い切り笑えるの。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1139人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
愛莉(プロフ) - ゆずさん» リクエストありがとうございました！個人的に好きな2人組が書けるので、私もわくわくしています(*^^*)色々なドキドキをお届けしたいと思っているので、ぜひ楽しんでください:-)＊。 (2021年3月6日 15時) (
レス) id: ada343b87b (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 既にドキドキと楽しみが混ざって大興奮です(´；ω；｀)素敵な作品を本当にありがとうございます！(´；ω；｀) (2021年3月5日 8時) (レス) id: df851e8847 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：愛莉
| 作成日時：2021年3月4日 23時
