*知ってしまった事実 ページ16
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みんな撮影に向かってしまった後なのか、練習部屋の電気は消えていた。
お返しするならちゃんとお返ししたいと昨日の夜クッキーまで焼いてしまったから
また後で会いに来ようと部屋を出た時。
渡辺「 …で、おまえはどうしたいの。 」
すぐ隣の部屋から聞こえてきた声。
渡辺さんだってすぐわかって
盗み聞きは良くないなんてわかってはいたけど、そっと壁に体を寄せた。
相手の声は聞こえない。
だから男性か女性かもわからなかったけど。
渡辺「 A? 」
えっ、と咄嗟に出そうになった声を必死に抑えた。
バレた?と思って覗いてみたけど、そこには背中が見えるだけ。
まさか。
まさか私の話をしているはずはない。
そもそも渡辺さんは私のこと伊藤って名字で呼ぶし…。
渡辺「 …何なの、ほんと。 」
そうこう迷っている間に電話は終わったらしい。
そっと中を覗くと、少しうな垂れながらスマホを見つめる渡辺さんが見えた。
…彼女さんかな。
そうだよね、渡辺さん素敵な方だろうし。彼女さんいたっておかしくない。
きっと私は彼女さんと同じ名前で、だから私のことを伊藤って呼ぶんだ。
この1週間、実は少しだけ食事制限をしてみた自分を思い出して
思わず呆れてしまった。
…何やってたんだろう。私なんかが渡辺さんのこと。
練習部屋に戻り、
見覚えのある渡辺さんのカバンのそばにそっとパーカーとクッキーの入った袋を置いた。
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愛莉(プロフ) - ゆずさん» リクエストありがとうございました!個人的に好きな2人組が書けるので、私もわくわくしています(*^^*)色々なドキドキをお届けしたいと思っているので、ぜひ楽しんでください:-)*。 (2021年3月6日 15時) (レス) id: ada343b87b (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 既にドキドキと楽しみが混ざって大興奮です(´;ω;`)素敵な作品を本当にありがとうございます!(´;ω;`) (2021年3月5日 8時) (レス) id: df851e8847 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:愛莉 | 作成日時:2021年3月4日 23時