story 89 ページ47
『前線指揮官を仰せつかったって……え?…今までは前線指揮官じゃなかったの?』
私は両手で大きなバツを作った。
「ぶっぶー!残念でした〜。
ただ面白そうだったから首を突っ込んだらこんな大事になったのだよ…甘く見すぎてしまった。」
へなへなと肩の力を抜いて机に倒れ込む私。
『じゃあそれはあんたが悪い』
「やっぱりAちゃんは厳しいなあ……
それでね、早速いくつか手を打って置いた」
思わずニヤリという笑みが零れる。
『うわ出た…なんと行動の速いこと…』
Aちゃんは顔を押さえる。
「お褒めの言葉ありがとうAちゃん」
『一言も褒めてない!』と背中をバンっと叩かれる。
「いったい!ちょっと、私は君のストレス発散道具じゃないって!やるなら中也にやり給え!」
『彼奴を叩いたら次の日ボコボコにされるんだよぉ!知らなかっただろう!?』
織田作はすごい冷たい目で私たちを見る。不味いぞこれは。
何事も無かったかのように、少ししてから織田作が口を開いた。
織「基本的なことを訊いていいか。
ミミックのような異能犯罪組織は主に政府機関が取り締まるものでは無いのか?」
『政府機関……ってことは内務省の異能特務課のこと?』
「正解。しかし特務課も秘密組織だ。龍頭抗争のような大規模な組織のぶつかり合いがないと滅多に表に出たがらない。
それにポートマフィアも立派な異能犯罪組織だけどね」
織田作は納得したかのように腕を組み直した。
織「それと安吾については…?」
私は淹れたての珈琲を啜る。
「それがね…織田作。残念なことに武器庫の暗証番号の情報が安吾によってもたらされたものだとほぼ確定した。
それに組織で揉め事が起きないよう、各に異なる暗証番号が発行されていることも分かった」
17人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:アメ玉 | 作成日時:2019年5月6日 14時