story 82 ページ40
中島side
私はついに、やってしまった。元組織の長を自分の手で打った。
____これでようやく、トランプという組織に区切りをつけることが出来た。
太「…っあー。疲れたー。ほんっとお芝居って疲れるよね…それよりも見た?私の芝居力!我ながら感激するよ!」
中「…ガタガタ抜かしてンじゃねェよ。…ってぇ。
おいA……
いくら作戦とはいえども、ちったァ手加減しろや馬鹿野郎!」
…だってー、中原との組み合い久しぶりで楽しかったんだもん。
太「……確かにあれは驚いたね…まさか中也が気絶して運ばれてくるとは、思ってもなかったよ」
『いや、ほんと済まない。中原』
太「…さてと。おふざけはここまでにして…早く終わらせようか」
太宰はそう呟くとジャックの方へゆっくりと歩みを進める。
私達もそれに続いた。
太「……残念だったね。あともう少しだったのに。
ようやく探し出した元部下にも結局裏切られ、挙句の果てにはこうして命まで奪われる。
…君が今までやって来たことに対しての罰だよ。しっかりと償うといい。
…だが一つ君に聞きたいことがある
Aちゃんを引き渡そうとしていた組織の名前を答えろ」
……確かにそれは私も気になる。それもよりによって海外の異能組織。
ジ「……ル……ド……」
太「……なんだって?」
太宰は一瞬目を見開いた。
ジ「……ギ…ルド…だ。あそこの…ボスは強…い」
ジャックは腕を天に伸ばして云った。
ジ「……様…お力……なれ……申し……せ…ん」
そこでついにジャックは倒れた。
____しばらくの間沈黙が流れる。
『……行こう』
部屋から出る際、最後に後ろを振り返った。
____『さようなら。お父さん』
____小さい頃から私にはあの人しかいなかった。
いつもいつも沢山遊んでくれて、褒めてくれて、まるで本当の父親みたいな人だった。
____いつからだろう。あんなに怒り出すようになったのは。
____それは私も分からない。
でも一つだけ変わりないのは私を育ててくれたこと。
私に作戦立案という仕事を教えてくれたこと。
____育ててくれてありがとう。
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作者名:アメ玉 | 作成日時:2019年5月6日 14時