story 80 ページ38
ジ「組織に連れ帰り、暫く様子を伺っていたが俺の勘は正しかった。
此奴は頭が良く切れるし、何より先を見据えて行動することがずば抜けていた。
そこで俺は考えた。『此奴に任務の作戦立案をさせたら俺達はとうとうヨコハマ1の組織になれるのではないか』と…」
ククッという短い笑い声が時たま漏れる。
「成る程。Aちゃんが言ってた『前の組織で作戦立案をする技術は叩き込まれた』というのはこれだったんだね。
…それで、君は彼女を連れ戻してどうするつもりだい?ヨコハマ1の組織になる為、彼女を使いもう一度作戦を立て直す
…という目的ではないだろう?」
堪えきれなかったのか、ついに目元に手を当て高らかに笑い出した。
ジ「クククク……ハッ!ハッハッハ!!お前は面白いな!
そうだ、その通りだよ。俺が此処に彼奴を連れ戻した理由はな…
海外の異能組織に引き渡す為だ」
パーン!
乾いた音が鳴り響いたかと思うと、腹部に激痛が走る。
「…カハッ!」
あまりに耐え切れず、口から吐血。その場に倒れ込むとジャックはどんどん歩みを進めてきた。
「…き、貴様…何を…した…!」
ジャックは手元の銃を見ながら言う。
「これか?よく効くだろう。異能者捕獲用に造られた特注の銃弾さ。
我々は人を売り捌くのが仕事だ。有能な異能者がいては簡単に捕獲できないだろう?
しかしこれがあればなんてことはない。命中さえすれば後は飛んでいる日に夏のムシ。
…後もう少しだ。俺はこれであの人に認められて…」
その時、後ろの通路から誰かが歩いてくる音が聞こえた。
「…おやおや、どうやら我々の勝利のようだ。ポートマフィア」
「…な!」
暗闇から姿を現したのは、気絶して傷だらけの中也を引きずりながら歩いてきたAちゃんの姿だった。
「…ち、中…也!」
深手の為、あまりうまく口が動かない。
Aちゃんは中也を私のそばまで放り投げると、すぐにジャックの元に向かった。
中「…すまねぇ。太宰…彼奴、中々強くてよォ…止められなかった…」
太「…まだだ、中也…ここからだよ…」
Aちゃんはジャックの元まで行くと、跪いた。
ジ「…御苦労だったな中島。
どうやらポートマフィアの頭の切れる最年少幹部様も、やはりお前の作戦立案には敵わなかったようだ!」
太/中「「……!?」」
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作者名:アメ玉 | 作成日時:2019年5月6日 14時