story 79 ページ37
太宰side
私は中也にAちゃんの相手を任せ、逃げたジャックを追っていた。
さっきは中也が仲裁に入ってくれたから助かったけど、あの攻撃をまともに食らってたら私の体は貫かれていただろうね。
あー怖い怖い…
聞いてくれ給えよ。ところでさっきね、面白いものを拾ったんだ。
何かって?
鍵だよ!ここの大事な脱出ルートの鍵だよ!きっとジャックがさっき落として行ったんだろう!
私はそのまま奥の部屋につながる通路を走っていた。
ようやく開けた場所に出ると、奥には慌ただしそうに自身のポケットや体を確認して何かを探すジャックの姿が。
ジ「…ひっ!き、貴様どうやって…!」
「どうやっても何も慌ててここに来てドアを閉めていない君のおかげで入れたんだけど…
それよりも探し物はこれかい?」
ポケットから鍵を取り出す。するとジャックは思い通りの反応を見せた。
ジ「…貴様!それをどこで拾った…!」
「さあてどこだろうね?
それよりも、もう君の逃げ場はないよ。
Aちゃんを見捨てて自分だけ逃げるってことはもう彼女はこの組織にはいらないのかな?」
ジ「…チッ」
「…まぁいいや。それより君には聞きたいことが山程あるんだ。
悪いけど、大人しく投降してくれるかい?手荒な真似は私もしたくない」
銃を構えて言う。
ジ「…誰が投降などするか!あんな血と泥にまみれた組織ごときが、私の組織を倒せると思うな!」
彼はそういうと慌てて銃を取り出した。
相手も必死だ。
「…どうやら無駄のようだね。ならいい。
じゃあ少し質問を変えよう。
____お前はどこで彼女と出会った?」
そう。私が此奴に一番聞きたかったことだ。
ジ「…どこで会ったか…成る程な。何故そのような質問をする?」
「答えによっては彼女の今後の人生と命に関わるからね」
彼はフッと笑うとひと息ついて話し始めた。
ジ「俺が彼奴と会ったのはとある孤児院でな…
当時の院長と俺は知り合いだったもんで、そこの院長に言われたんだよ、『迷惑な異能を使う厄介な餓鬼がいる』ってな。
実際に行ってみりゃ、とんでもない異能だった。
だがここで俺は此奴は使えると思い込んだ。
それが全ての始まりだ」
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作者名:アメ玉 | 作成日時:2019年5月6日 14時