story 78 ページ36
最悪の事態が起きた。
ジャックはそのまま異能を真下にいるAにかけた。
太【彼奴の異能は精神操作の異能だ。
もし本当に彼女が操られていたら、私たちは完全に終わりだ】
そう言えば太宰がこんなことを言ってたよな。
＿＿＿＿でもな、もうそうなっちまったんだよ
目の前のAはゆっくり立ち上がると俺達を睨みつけた。
まるで獣が獲物を捕らえるような目付きで。
そこで一瞬ビビっちまったンだろうな。
瞬きをするとさっきまで居たはずのAが居ない。
太「中也…！危な」
そう叫ぶ太宰の声。
途端にふらつく体。
次の瞬間身体に凄まじい激痛が走った。
「…ってェ！！！クッソッ！…！」
激痛に耐えながらも体制を立て直す。
そして俺は直ぐに理解した。あの一瞬で俺は壁まで吹っ飛ばされたのだと。
「…へっ。驚いたぜA。お前、中々やるじゃねェか…！
まさか…お前の異能力の夜叉がこんなに強いとはなァ…！
そりゃあ敵も厄介な訳だ…！」
Aからはとんでもない殺気が溢れている。
太「…中也、大丈夫かい？」
「あァ…？こんくらいどうってこたァねェよ…手前は精々あの糞野郎をどうにかしろ…って！
彼奴どこ行きやがった…！」
部屋には既にジャックの姿はなかった。
なるほど、元部下を利用して自分だけ逃げるねぇ…
＿＿＿＿一番ダセェじゃねェか。
「おい糞太宰、ジャックは手前に任せる。
＿＿＿＿俺は少し此奴と遊んどくぜ」
太宰はため息をつく。
太「今私もそう言おうとしたんだよね。
まぁ私がAちゃんの相手をするとか死んでも無理だから。寿命縮むし。
＿＿＿＿Aちゃんの事は頼んだよ、相棒」
太宰はそう言って拳を突き出す。
「…やめろ気色悪ィ！
都合のいい時だけ相棒呼ばわりすンじゃねェよ糞鯖が。
＿＿＿＿そっちは任せたぞ。相棒」
俺たちは一瞬で拳を合わせるとそれぞれの相手に向かって走っていった。
Aが奥の部屋に行こうとする太宰を視界に捕らえた。
俺は素早く異能を発動させその間に入る。
「手前の相手はこっちだ、A！
久しぶりに手合わせしようぜェッ！！」
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作者名：アメ玉 | 作成日時：2019年5月6日 14時
