story 77 ページ35
俺はじりじりと距離を詰める。
『中原よせ!むやみに此奴に近付くな…!』
Aが叫ぶ声が聞こえる。
分かってる。相手は精神操作の異能使い。
もし俺が汚濁状態のまま奴に異能を使われれば俺は完全にこの世界を滅ぼすだろう。
____だがな、そんなこと言っちゃいらんねェんだよ。
「おい糞太宰」
太「…何する気?まさか…」
「やばそうだったら止めろ。そんで彼奴を連れてすぐにここから離れろ」
太「……はあ。無理って言っても聴かないだろうから言わない。
でも無理はしないでよ?私まで君に殴られたらほんとに死んじゃうから」
「死ねて嬉しいんじゃねェのかよ」
太「…ふっ。それもそうだね
____じゃあここからは私達の作戦で行こうじゃないか」
その言葉を合図に俺は手袋を外しにかかった。
その時だった。
部屋中に乾いた音が響いた。
____その瞬間時が止まった。
目の前には倒れそうになっているAの姿が。
まさか撃たれたのか…?
____いや、そんなはずはねェ…彼奴の反射神経は中々のバケモン級だ。
じゃあなんで…
____此奴は倒れてる?
『うぐあああああっ…!』
肩に手を当て、苦しそうに悲鳴をあげるA。
ジ「…貴様忘れたわけではないだろう。
我々は人身売買が目的の組織だ。それ故勿論異能者も捕まえる。
お前もよく使っていただろうこの銃は。
____異能者の動きを一瞬で封じる弾丸銃を」
ジャックは相変わらず銃を突きつけたまま端的に話す。
俺は耳を疑った。
まさかこの時代にそんな高度な技術を秘めた拳銃があるとは思ってもみなかった。
____しかもそれを此奴が使ってただと…?
太「君、一体どこまで性格がひん曲がっているのかな。
…是非とも教えて頂きたいところだけど残念。
____お前にはすぐにここから消えてもらう」
そう言った太宰の目は今までにないくらい憎しみに満ちていた。
俺は少し鳥肌がたった。
ジ「…いいだろう。望むところだ。
私も君たちと同じ思考だよ。
なら特別に教えてやろう。
私の異能には、誰一人抗えない。
____異能力【精神操作・滅】!!」
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作者名:アメ玉 | 作成日時:2019年5月6日 14時