story 72 ページ29
俺達はそんな下らない会話をしながら通路を歩き続けた。通路を抜け漸く開けた場所に出ると、その中心にAが立っていた。
あれ、ぜってェ怒ってンだろ…
中『遅い』
ほらな。俺の感はすげェな…厭、感心してる場合じゃねェ。
「「すみませんでした」」
俺達は三人揃えて頭を下げる。
中『…あのねぇ、幾らわざと捕まったとはいえ…脱出するまでの時間が遅すぎ。
この程度のこと、あんた達ならものの数分で切り抜けられた筈だけど?あんた達が先刻宣告したように』
Aは溜息をつき、呆れたように云う。それもそのはず。そもそもこの脱出時間を考えたのは俺達だ。勿論Aはその程で作戦立案を立てている。
つまり、この脱出が少しでも遅れれば任務成功により時間がかかってしまうことになる。
____これは完全なる俺達のミスだ。
中『…まぁでも、脱出出来ないよりかはマシだったかな。
あのままあんた達が脱出していなかったらこれは確実に"任務失敗"のレッテルがはられる所だった。そこに関しては褒めてあげる。
遅かったけど』
Aはそう云うと前に歩みを進めて、俺達と少し距離をとる。
中『さて、あんた達今こんな流暢に話している場合じゃないのは承知だね?』
突然Aの目付きが変わった。この目はかなり真剣だ。
俺達は頷く。
中『うん、上出来だ。さぁ、いよいよ本題に移るよ。準備は出来てる?』
俺は拳を合わせた。
「当たり前ェだ。何にせよ、とっくに準備は出来てるぜ。漸く俺達の本領発揮という訳か…ハッ、楽しみだなァ」
太宰からため息が出る。
太「はいはい、調子に乗るのもその辺にしておいたら?蛞蝓君。ねぇ芥川君?」
芥「然り」
「…なッ!おい芥川、巫山戯ンなッ!それに糞鯖!俺は蛞蝓なんかじゃねェからな!」
太「…じゃあちびっ子帽子?」
ダンッッッッ!!!!!!
異能で足に重力をまとわせ、地面を思いっきり踏みつける。
地面は一瞬で崩れた。
「本気で蹴り殺すぞ…手前ェら…」
太「おー、怖い怖い…君に蹴り殺されるなんて死んでも御免被りたいねぇ」
俺はそう言う太宰の横を通り過ぎながら答える。
「じゃあとっとと入水でもして死ね糞鯖」
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作者名:アメ玉 | 作成日時:2019年5月6日 14時