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【対東方異能力集団沈圧作戦】
それはポートマフィア、そして敵対する巨大東方異能力集団の両方何方も多大なる犠牲を出してポートマフィア側の勝利、要するに任務成功に終わったものだった。
その時、俺と太宰は別の任務でヨコハマには居なかった。
____その抗争により一体どれだけの人間が命を落としただろう。
首領はこの作戦立案を、一番作戦成功率の高いAを堂々と指名した。
彼奴も今回は張り切らないと!とか云って何回も徹夜をしている姿も目にした。
その結果があのザマだ。
何百人という犠牲者を出しながらもマフィア側が勝利した。
然し何故何百人もの命を失う事になったのか…?
抗争が終わった後、頼んで作戦書を見せてもらうとそれはすぐに分かった。
彼奴が考えた作戦立案は完璧だった。
それは後方の指令部隊に突然の奇襲が原因だった。
敵が己の命を投げ打ってでも潰すための最後の賭けだったのだ。それに対応することは出来ず、当然体制は崩れ、前線は指示を仰げなくなった挙句何を頼りに動けばいいのか分からなくなった。
唯一の救いだったのは今回の作戦立案者であるA
が前線に居た為、前線部隊は直ぐに体制を立て直した。
その勢いで敵組織を何とか沈圧。任務は成功に終わった。
抗争後、拠点に戻ったAは首領に抗争の終結の報告に島津と向かった。
中『…首領。こんなにも、犠牲者が出て…任務が成功と云えるのでしょうか…?』と。
首領ははっきりと答えた。
首「任務成功の為ならば如何なる犠牲もなくてはならないのだよ、中島君。
例え犠牲者が出なくても任務が失敗すればそれは立派な失敗だ。それと同じだよ。
…君がそう思うのも無理はない。
君は優しすぎる。
…今回の君の作戦は完璧だったよ。任務成功お疲れ様。戻ってゆっくり休みなさい」
その後だ。任務から帰ってきた俺が此奴らと遭遇したのは。
その時に見た彼奴の目には心なしか迷いなど無いように感じられた。
それからだ。彼奴が変わったのは。
例え自らが作戦立案で多大なる犠牲者を出しても、動けなくなってしまった其奴らを見ても落ち込むことなど無くなったのだ。
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作者名:アメ玉 | 作成日時:2019年5月6日 14時