作戦参謀〔其ノ弐〕 (ページ14)

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太「やぁ、中也に芥川君。何かお困りのようだね」

太宰は手を振りながら此方に近寄ってくる。

「…何で手前が此処にいる」

太「はぁ？君が音声通信が面倒だとか云うからわざわざ足を運んできてあげたのに、何その云いよう。…ほんっとに気に入らない」

「あっそ。つーか、手前は少しでも歩いて筋肉ぐらい付けやがれこの木偶が」

太「余計なお世話だね、このチビ！君はもう少し牛乳を飲んだら？ま、もう無意味だろうけど？」

「うっせェ！誰がチビだこの野郎！蹴り殺してやろうか！」

芥「ゴホンッ！」

突然芥川の咳払いが聞こえた。

そして俺達二人は察した。芥川が怒っていると…

「あ、芥川すまねェ…」

芥「太宰さん、この扉を開ける方法をご存知では無いですか？」

……え、無視？

太宰が扉に近づいて行く。

太「…如何やらこの扉、私の異能力と同じ力を秘めているらしい。これは対異能者用に作られた特別な扉って云っていたからねぇ…」

…ん？＂云っていた＂？

「おい、太宰＂云っていた＂って如何云う事だ」

太「君達の通信履歴の場所を探り出してここまで来たのだけど、その最中にピエロの格好をした奴がいてね。

敵だろうし、弱ってるから無理矢理私が情報を吐かせた」

きっと今の俺と芥川の顔は歪んでいるだろう。

＂太宰の敵の不幸は敵が太宰である事＂マフィア内ではその噂は良く小耳に挟むからだ。

太「そしたらこの扉のこと、君達が奥に進んで行ったこと等殆ど全部教えてくれたのだよ。

…そしてこれが」

太宰がポケットを探って何かを取り出した。

太「そこの扉の鍵だ」

それは一枚のカードだった。以前交戦したジョーカーの持ってたトランプよりも数ミリ細いカード。

太「これはきっとトランプ幹部全員しか持っていないはずだ。私達がこれを手に入れたという事は、この先には幹部以上の人間しかいないという訳だ。

既にゴールは見えている、二人共準備は」

「ちょっと待て」

俺の声に二人は一斉に振り返る。

「何の計画も無しに突っ込むのか？冗談じゃねェ。

先ずは作戦立案から「中也」…何だよ」

太宰は少し黒い笑みを浮かべながら云った。

太「…その心配なら要らない。

＿＿＿＿何故なら既に私の頭の中に考えてあるのだから」