彼なりの優しさ《両面宿儺》 ページ41
「どうした小娘。そんなに震えて」
『え……?震えてます?』
宿儺さんに指摘されるまで自分が震えているなんて知らなかった私。
今私達は私の住んでいるマンションのベランダにいる。
確かに今日は吐き出す息が白いから結構気温が低いんだろうけど……
「あぁ。産まれたての子鹿の様に震えているぞ」
『いや例え優しすぎんか』
と隣で見た目の割に優しい例えを出すのは両面宿儺さん。
こう見えてめっちゃ強い呪いの王なんですよ。
『宿儺さんはその着物1枚で寒く無いんですか……』
「俺か?別に寒さなど気にはせん。それに呪霊は寒暖をあまり感じんからな」
『だったら私も呪霊に生まれたかったなあ』
なんて冗談は置いといて……
ふと手を見ると小刻みに指先が震えていた。手は乾燥してガサガサで自分の口元に持っていくと「はぁ〜」と息をかける。
息をかけたことで一瞬暖かくなるが、一瞬のうちにその暖かさは寒さによって消えてしまう。
それを横目で見下ろしていたのか、宿儺さんは私の手をとって握り始めた。
「寒いのだろう。さっきから何故黙っている」
『誰だって迷惑はかけたくないんです……』
「俺にとっては貴様に遠慮される方が迷惑なんだが?」
『うっ……すみません……』
なんとも大胆な発言である。
ひょんなことから宿儺さんとお付き合いを初めて数ヶ月たったが、今でも言動や行動が読めず毎日慌てふためく毎日。
『……でも、ありがとうございます。宿儺さんの手暖かいです』
「そうか。なら良い」
と得意そうな笑みを浮かべる。しかし身体はまだ寒いようで少し風が吹くと肩が縮こまってしまう。
「なんだまだ寒いのか」
見られてないだろうなと思ったけどやっぱり見られてたみたいで。
『……そうですね。宿儺さんの手で充分暖かいと思ったんですけど…』
「……はぁ。さっき俺が貴様になんて言ったか忘れた訳では無いだろう。
遠慮はするなと。される方が迷惑なんだと……言ったよな」
ギロっと睨まれると私の視線はもう動かなくて。その瞬間に宿儺さんが私を後ろから抱き締めた。
「この分からず屋め」
後ろから聞こえる宿儺さんの低音ボイスが心地よくて。
『ありがとうございます……じゃあお言葉に甘えて…』
そう言って彼の温もりに甘えた。
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あー字数がぁぁ……次行きまーす!!
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みかんダヨ - 高専夏油のツンデレ見てみたいです…! (2021年4月4日 11時) (レス) id: 0760d58626 (このIDを非表示/違反報告)
アメ玉(プロフ) - 花帆さん» 初めまして!!わああああ嬉しいです!ありがとうございます!!良かったら続編もあるので目を通して頂けると嬉しいです!!(●≧∀)キャッ (2020年12月16日 16時) (レス) id: bd385b4018 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - はじめまして、五条先生や悠仁夢 反応もきゅんとしました/// (2020年12月16日 1時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
アメ玉(プロフ) - 印南さん!はじめまして!わあああそんなこと言って下さるなんて…!ありがとうございます!これからも頑張りますね!!(●≧∀)キャッ (2020年12月2日 9時) (レス) id: bd385b4018 (このIDを非表示/違反報告)
印南 - どの話にもキャラの個性が出てて面白いです!これからも頑張ってくださいね! (2020年12月1日 22時) (レス) id: 8a2c772457 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アメ玉 | 作成日時:2020年11月5日 14時