92話 愛しい人のため ページ3
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＿＿＿＿頭が真っ白になった。
小さな音だが耳がキーンと音を立てている。
『あぁそっか……やっぱり……そうなんだ……』
はは、と力のない乾いた笑い声がその場に小さく響いた。
もはや今自分がどんな表情をしているのかすら分からない。
悲しみ？絶望？
それとも安堵の表情を浮かべてるのかなぁ…
いつの間にか足も力が抜け、ペタンと地面に座り込んでいた。
＿＿＿＿ただただ、そのボタンだけを見つめて。
少し砂が付いたボタンを拾い上げると傑自ら引きちぎったのか、白いシャツの糸くずが付いていた。
引きちぎる程、誰かを恨んでいたのだろうか。それともこの村の人に抵抗されてその衝撃でちぎれたのかな。
＿＿＿＿ううん。今はそんなことはどうでもいい。
そんなこと後で本人に聞けば良いだけだ。
これではっきりと証明されたのだから。
【この事件を起こした犯人は夏油傑だ】ってことが。
＿＿＿＿『……行かなきゃ』
そう決意して立ち上がり、もう一度ボタンを見つめ直す。
優しい笑顔の下でキラキラと輝いていたこのボタンはもうその輝きを失い、砂と血と沢山の憎悪にまみれて
私の掌でコロコロと転がっていた。
＿＿＿＿行く宛てなんて分からない。
傑が何処にいるのかすら今の私にはこれっぽっちも分からない。
しかし高専を出る日、「傑について情報が入れば連絡する」と何とも心強い言葉を送ってくれた学長からは連絡が1つも来ていないのだから。
＿＿＿＿目撃証言も無し。完全に姿を眩ましていた。
だけど傑を止めなきゃ。
ただその一心で私は立ち上がった。
『……待ってて。絶対止めるから』
もう一度、自分に言い聞かせるように呟き力強く一歩を踏み出した。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
同時刻、高専＿＿＿＿
任務で長い間高専を離れていたある生徒が帰ってきた。
少し癖のある白髪頭に、宝石のような青い目。スラリと伸びた手足。
五「……っあー、疲れた。先生に報告して…寝るか」
頭をボリボリと掻きながら歩くその生徒はこれから衝撃の事実を耳にすることを、今はまだ知らない。
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アメ玉(プロフ) - ななきさん» ななきさんこんばんは！すごく嬉しいです(泣)今は少し忙しくて更新おじいちゃん亀ですが、また続き書いた時は読んでいただけると嬉しいです！！ありがとうございます！！ (2022年12月5日 0時) (
レス) id: bd385b4018 (このIDを非表示/違反報告)
ななき - 深夜に止まらず一気見させていただきました！！続きが死ぬほど気になりますぅぅぅう！天才作者様！！！暇な時があればどうぞよろしくお願いしますっ！！！！！！！ (2022年12月2日 1時) (レス) @page37 id: 5f7941b886 (このIDを非表示/違反報告)
アメ玉(プロフ) - 蟻さん» ありがとうございます…(T^T)まさか一気読みして頂けるなんて、、、徐々に頑張って続き出していきますので、これからも少しずつ目を通していただけると嬉しいです！ (2022年1月5日 23時) (レス) id: bd385b4018 (このIDを非表示/違反報告)
アメ玉(プロフ) - 識さん» ありがとうございます！(T^T)お返事が大変遅くなってしまい申し訳ございません……！今年も沢山目を通していただけますと幸いです！！ (2022年1月5日 23時) (レス) id: bd385b4018 (このIDを非表示/違反報告)
蟻 - ハマりすぎて一気読みしました。。続きが気になります( ;ᯅ; )アメ玉さんのペースで投稿楽しみに待ってます！ (2022年1月5日 2時) (レス) @page27 id: 120560daa1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アメ玉 | 作成日時：2021年2月20日 22時
