束縛の強い君２《狗巻棘ver.》 ページ42
息つく間もなく、部屋の中に引き摺り込まれると閉まったドアに手首を押さえつけられる。
ドンッという音が背中から響いた。それと同時に背中にじわじわと痛みが走る。
恐る恐る目を開けるとそこにはとても残忍で、冷酷な目をした棘の姿があった。
『……と、棘っ』
今にも消えてしまいそうな声で彼の名を呼ぶけど、何も反応しなかった。
真っ直ぐに私の瞳を見て、まるで目を逸らすのを許さないかのように。
いつもなら少し帰りが遅くてもギュウッと寂しさを埋めるかのように抱きしめて来るのだが今日はなんでも門限を1時間も過ぎてる。ここまで棘が怒っているのも理解できない訳ではなかった。
グググ…と段々手首を押さえる手に力が入り、痛みがどんどん増えていく。
『棘…っ…痛いよ…』
まるで私の腕をへし折るのかと問いたい位の力で握り続ける。ここまでされると本当に痕が残ってしまいそうだ。
「……ゃけ」
『何っ…』
ようやく話してくれるようになったかと思えば、口元のチャックを下ろしそのまま私の口に噛み付くようなキスを落とした。
何度も何度も角度を変えて。
貪り食うような、まるで私を従わせるようなそんなキス。
酸素を取り込むために少し口を開ければその隙間から容赦なく棘の舌が乱入してくる。
体がビクッと震えた。勿論快楽などではない。
＿＿＿＿怖い。ただそれだけ。
もう何分キスしたか分からないが、ようやく唇が離れると棘はそのまま私の耳元に顔を寄せた。
.
【 堕 ち ろ 】
.
.
そんな言葉が耳に吹き込まれた後、私の意識はプツンと切れた。
＿＿＿＿次、目が覚めた時には私は手足を鎖で繋がれていた。
暗い暗い真っ暗な場所で。
もう何日も太陽を拝んでいない。
棘は帰ってきたらいつも、壊れ物を扱うかのように私を抱き締める。
ここに閉じ込めたのは彼なのに。どうしてそんなに優しくするのか。
なのに私はいつの間にか棘の背中に手を回すことが当たり前になっていた。
.
.
あぁそっか。ここでようやく理解した。
あの時言われた��堕ちろ��という言葉の意味を。
＿＿＿＿もう私は貴方に堕ちている。
束縛の強い君１《五条悟ver.》→←束縛の強い君１《狗巻棘ver.》
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kon - リクエスト書いてくださり、ありがとうございました。漸く読めました。凄い良かったです。やはり五条先生最高ですね。またリクエストさせていただくと思いますがよろしくお願いします。 (2021年1月9日 16時) (
レス) id: 562bce1e3a (このIDを非表示/違反報告)
アメ玉(プロフ) - パンさん» わああ嬉しいです！ありがとうございます！！実は1番考えたセリフなのでそう言って貰えるととても嬉しいです！ありがとうございます！！(●≧∀)ｷｬｯ (2021年1月7日 11時) (レス) id: bd385b4018 (このIDを非表示/違反報告)
アメ玉(プロフ) - 伊織さん» 伊織さん！了解致しました！！少しお時間いただきますね！！ (2021年1月7日 11時) (レス) id: bd385b4018 (このIDを非表示/違反報告)
パン - 「へへっ」って。それはイカン、可愛い。可愛いが過ぎる。キュン死するぅ (2021年1月6日 22時) (レス) id: 137cca8dd3 (このIDを非表示/違反報告)
伊織 - あ、二つ目の方のリクエスト、書き忘れてましたが「両片思い」「同期」でお願いします！ (2021年1月6日 20時) (レス) id: 562bce1e3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アメ玉 | 作成日時：2020年12月13日 23時
