甘えていいよ2《五条悟》 ページ15
『ごめん……悟も仕事で疲れてるよね……なのにこんな情けない姿見せて……っ』
悟も仕事で疲れてるだろうに、漸く疲労を養える所に帰ってきたら私が泣いてるなんて。
こんなので泣いちゃいけないと私も思ってる。泣いてる暇があるんだったらもう一度データを作成する方がどう考えたって効率はいい。
それにこんなんじゃ悟に本当に迷惑だ。
『ごめん……もう大丈夫っ』
そうして填めていた顔をあげて悟に言えば優しい声で「A」と名前を呼ばれる。
「おいで」
なんて目隠しを外して甘ったるい声で言われれば、もう何もかもどうでも良くなってそのまま胸に飛び込んだ。
あぁもう。これがあるから悟はずるい。
そのまま悟に倒れかかるように飛び込めば細身なのに、やけにしっかりした筋肉のついた胸が私を受け止める。
そのまま私を腕の中に閉じ込めるともう片方の手で頭を優しくポンポンと叩かれる。
その大きな手から感じられる温もりが、優しくリズム良く頭を叩くその手が
私を酷く安心させた。
『悟……もう平気だから』
「え〜?本当に?」
と若干挑発気味で言ってくる。
『……うん』
「ははっ。ちょっと間あったけど(笑)
でもダーメ止めてあげない。
愛しい彼女が落ち込んでるのにそのまま放置する方がおかしいでしょ。それに僕がしたいからしてるだけだしね。
僕にはその仕事については手伝えることなんて何にもないけど、Aを慰めることくらい出来るからさ」
悟はそのまま「だからさ、」と続ける。
「今日は僕に存分に甘えていいよ」
その優しすぎる声色に、せっかく収まった涙がまた視界をちらつく。
私の頭をポンポンしていた手も、いつしか後頭部に手を置かれてギュウッ、と抱き締められていた。
『……っぅぇ…』
と小さく嗚咽を漏らせば「そうそう。泣いたらいいよ。僕が全部受け止めてあげるから」と頼もしすぎる返答が帰ってくる。
そう言われればまたブワッと涙が溢れてきて悟の肩に顔を填めた。
結局そのまま泣き続けた私はそのまま眠ってしまい、朝起きたらソファで2人揃って寝ていた。
目の前には無防備だが整いすぎた顔がある。
こんなに可愛い寝顔なのになんであんなに頼もしいんだろう。
『ありがとう』
そう言って私はまだ眠っている悟の瞳に口付けを落とした。
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kon - リクエスト書いてくださり、ありがとうございました。漸く読めました。凄い良かったです。やはり五条先生最高ですね。またリクエストさせていただくと思いますがよろしくお願いします。 (2021年1月9日 16時) (レス) id: 562bce1e3a (このIDを非表示/違反報告)
アメ玉(プロフ) - パンさん» わああ嬉しいです!ありがとうございます!!実は1番考えたセリフなのでそう言って貰えるととても嬉しいです!ありがとうございます!!(●≧∀)キャッ (2021年1月7日 11時) (レス) id: bd385b4018 (このIDを非表示/違反報告)
アメ玉(プロフ) - 伊織さん» 伊織さん!了解致しました!!少しお時間いただきますね!! (2021年1月7日 11時) (レス) id: bd385b4018 (このIDを非表示/違反報告)
パン - 「へへっ」って。それはイカン、可愛い。可愛いが過ぎる。キュン死するぅ (2021年1月6日 22時) (レス) id: 137cca8dd3 (このIDを非表示/違反報告)
伊織 - あ、二つ目の方のリクエスト、書き忘れてましたが「両片思い」「同期」でお願いします! (2021年1月6日 20時) (レス) id: 562bce1e3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アメ玉 | 作成日時:2020年12月13日 23時