USA事件の後 ページ7
「はい、これで終わりさね」
「ありがとうございます」と私はリカバリーガールにお礼を言い保健室をでる。その後は隊服(コスチューム)から制服に着替え、荷物を持ち校門へ向けて足を進めた
靴を履き帰路に着こうとしたら視界の端に飯田くんと麗日さんがいた。とっくの党に下校時間になっていたはずだが……多分誰かを待っているのだろう
まぁ、その人物は十中八九緑谷くんと言う人だろうな。彼がクラスの中で一番重症だったし。私が見た時まだベッドで気絶していたぞ
「飯田くんに麗日さん……だったよね?ここで何をしているの?」
「ム、水津淶くんか。緑谷くんを待っていたんだ」
飯田くんが今の状況を簡潔に説明し
「そうそう!心配で顔を見るまでは帰られへんな〜って思ってなぁ!!」
麗日さんが自分の思ったことを口に出す
どうやら私の予想はあっていたようだ。ふむ……緑谷くんの容体だと起きる頃には暗くなっているぞ……仕方ない、あまり乗り気ではないが……
「私も一緒に緑谷くんの事待っててもいい?」
言ってから気付いたけど同行する必要ないよね?気配消して後ろからついて行けばよかったんじゃ……でももう口に出していってしまった。俗にいう手遅れ
「勿論ええで〜!!な、飯田くん!」
麗日さんは飯田くんの了承を得るために質問する。すると飯田くんはハッとしたような顔になり了承してくれた
「あ、ああ……!勿論だ!!」
まぁ、飯田くんの反応が正しいよ。私は又、皆の前で鬼殺行為をしちゃったからね……逆に麗日さんが快く受け入れてくれたことがおかしい。うん、本当に。私が助けた人は全員怯えた表情になっていたから……
――――
―――
―
タッタッタッと緑谷くんらしきの足音が近づいてくる。その音が聞こえる頃空はとても暗くなっていた
待つとき何故か知らないけど鬼殺のことについては聞かれなかった。きっと「その時まで待って」と言う約束を覚えているのだろう。律儀だな
「わっ……!!麗日さんに水津來さん、飯田くん!!ど、どうしたの一体?もう夜遅いよ?」
訳が分からず困惑しながら質問する緑谷くん。まさか自分の為にこんな時間まで待っていたとは思うまい。事情を飯田くんが話した時緑谷くんはとても驚いていた
「そ、そうだったんだ……」
心なしか目が潤っているような気がする。誰かの優しさが自分に向けられることがあまりなかったのだろう
「それじゃあ、みんなそろったことだし"早く"帰ろうか」
夜は危ない。夜は鬼が出るからね
続く
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作者名：(*´ω`*)ﾆｬ〜 | 作成日時：2021年4月20日 8時
