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ページ13

「じゃー私は

 カメラマンになる」







『え?』






本当に衝撃的だ






私は歩いていた足を止めてしまった






ランはスタスタと歩いていく






『ちっ、ちょっ、ちょっとまって待って!!』






私は走ってランの前へ出る






『何でランがカメラマンになるの?!

 ラン、自分の家を継ぐんじゃなかったの?』






ランは代々受け継がれてきた伝統の店の石冨家の一人っ子だ






石冨家は昔ある方法で店が繁盛し、今でもそれが続いているのだ






「私の家はいいの

 私はアカリの力になりたい

 ただそれだけなの」







『小さいころから言ってたじゃん!!

 家を継ぐって!!』






「・・・・・

 タイミングがいいことに

 うちのお父さん浮気してたの」






『えっ』






私は立ち止まってしまった







ランの瞳は静かだ






「先週知ったの

 帰ったら知らない人の靴があってね」









「だ、誰?」







「ラン、紹介する

 お前の腹違いの“兄”だ」





「は?」






「この代々石冨家が長年続けてきたこの和菓子屋を

 お前の兄に継がせることにした」






「は?」





「初めまして、ラン

 これからよろしくお願いします」






冷たい瞳






どこか自分に似ていたんだ






『ラン、きっと、だ、・・・・

 ごめん

 私が“大丈夫”なんて言えない』





私はランに抱き着いた





「ううん、それがあってるんだよ

 そう、それであってる」





ランは抱きしめ返してくれる






『頑張ろう

 頑張ろう』






「うん、頑張ろう

 王子を見ていこう」






『うん』






ビュー___________っと







冷たい風が私たちを横切っていった






「あ、鳥孫さん」






「えー、誰?何あの子?

 ねぇ、そんなことよりはやっく行こうよ」






「いや、君こそ誰?」






王子こと、菅生大将はアカリたちを眺めながら






知らない女子から逃げようとしていた

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作者名:林檎マカロン | 作成日時:2019年3月7日 11時

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