■003.Honey Taste ページ43
***
Naoki Side
彼女が可愛すぎて困っている。
…なんて言えば、なんだただの惚気か、と思われそうだ。
まあ確かにただの惚気なんだけど。
.
元々可愛いのは知っていたけど、
思いを伝え合い、“恋人同士”になったあの日から、
彼女に対する愛おしさは留まることをしらない。
.
.
まず、毎日してるのに、
未だに全くキス慣れないところが可愛い。
唇を重ねるとカチコチに体が固まってしまう。
あまりやりすぎて嫌がられても良くない、と思うのだが、
時折小さく漏れる君の声を聞いてしまうと、
尚更離してあげられなくなって。
“好き” って言ったら泣きそうな顔を
するところもたまらなく可愛い。
今まで言えなかったぶん、
何回言っても、どれだけ愛を注いでもまだ足りない。
.
あ、あと、実はヤキモチ妬きなところも。
嫉妬しているのに素直にそれを
俺に伝えられない不器用な姿を見ていると、
甘やかしたくてしょうがなくなる。
.
.
君を失うかもしれないと絶望したあの時から、
君と一緒じゃなきゃ安心して眠れなくなってしまった。
腕の中でｽｩｽｩと寝息をたてるAを見つめている時が、
今、1日の中で1番好きな時間だ。
.
.
直輝｢…A、｣
｢…ん…？｣
直輝｢…朝起きても隣にいてね。｣
｢………んー……｣
.
夢と現実の狭間でうとうとしているAは
今にも眠ってしまいそうな曖昧な返事をしている。
.
朝起きて、君が隣にいないくらいなら、
一生目が覚めない方がいい…、
と思うくらいには、君に溺れているんだよ。
Honey Taste【完】
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作者名：紙兎
| 作成日時：2020年3月16日 7時
