□120.ALL FOR YOU ページ40
***
直輝｢………無理だ。…俺も。｣
｢……………ぇ…っ…、｣
直輝｢……もう無理、限界。｣
.
え…、何が…？
私と一緒にいるのが無理ってこと……？
突然の直輝の言葉に戸惑いを隠せなくて、
1人でプチパニックを起こしていると、
不意に後頭部に手が回ってきて、
そのままｸﾞｲｯ…と顔を近づけられる。
.
｢……んっ……ｯ……｣
直輝｢…ん…｣
.
………………え！？
って更にパニックになっている私をよそに、
直輝は何度も角度を変えて私にキスをしてくる。
最初は触れるだけだったそれは、
次第に深くなって、甘さが増していく。
あまりの気持ちの良さに全身の力が抜けそうになった刹那…、
.
直輝｢……っ…はぁ…、
………………………“好き”｣
.
｢……ｯ……！｣
直輝｢…Aに好きって言えない生活はもう無理。
…逆になんで今まで耐えれていたのかわかんない。｣
｢…まっ……、えっ……ちょ…っと待って…！
追い付けない…！｣
直輝｢追いついて。｣
｢…ご…ごめん、もう1回言っ…｢好き｣
｢〜〜…ｯ…//｣
.
直輝の言葉が理解できなくて、
もう1回言って欲しいと頼んだのは私の方なのに、
本当にもう1回言われると
あまりの恥ずかしさに思考回路がショートする。
.
｢…う…嘘だ…//｣
直輝｢本当だよ。俺はAのことが好き。｣
｢……っ｣
直輝｢…もう1回言おうか？｣
｢…もういい…っ、もういいです…！｣
直輝｢…全然まだ言い足りないんだけど。｣
｢……//｣
直輝｢…ふふ、照れてる。…かわい。｣
.
ぎゅー…って抱きしめられながら耳元で
そんなことを囁かれて、更に全身が熱くなる感覚。
.
.
.
＿＿＿＿＿…一生、言われないと思ってた。
それでもいいと思ってた。
でも今、大好きなこの人に、
“好き” と言われて全身が幸せに震える。
.
直輝｢…好き。｣
｢…私も好き…っ…｣
.
.
好き以外の優しい言葉を全部【完】
***
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作者名：紙兎
| 作成日時：2020年3月16日 7時
