□15.ウラハラ･キス ページ15
***
直輝｢…よし、じゃあ俺はそろそろ行くから。｣
｢えっ、もう…？…あっ、｣
.
心の中だけで言った言葉だと思っていたのに、
どうやら声に出てしまったらしい。
咄嗟に手で口を塞ぐけど、
直輝はこちらを見て呆れたように笑っている。
だからきっと今更塞いでも手遅れ。
.
直輝｢…寂しい？笑｣
｢……別に大丈夫。｣
直輝｢…可愛くないな。｣
｢えっ……｣
.
余裕たっぷりの表情がずるいので
大丈夫、と嘘をつけば、
可愛くない、と言われてしまった。
自分で言っといて後悔の念に押しつぶされそう。
可愛いって言われるのが目標だったのに…、
迷惑かけるわ授業サボらせるわ
挙句の果てに可愛くないとまで言われてしまった……。
.
直輝｢…ふはっ、嘘だよ笑｣
｢え…｣
直輝｢可愛いよ、Aは。｣
｢…っ//｣
直輝｢なるべく早く帰ってくるから、
大人しくいい子にしててね。｣
.
頭をﾎﾟﾝﾎﾟﾝと撫でられて、
おでこに…、優しく、……キスをされる。
一瞬のこと過ぎて何が起きたか分からない。
え、なんで、嘘だ、え、え、な、なんで、
重大なエラーを起こしている私の様子を見て、
もう一度クスッと笑って
いってきます、と言って部屋から出ていってしまった。
.
｢……ｯ…〜〜…！｣
.
ああもう…！
直輝が何を考えているのかさっぱり分からない。
一人取り残された部屋の中、
私は燃えるように熱い顔を両手で覆い隠しながら、
ソファーの上で悶えていた。
***
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 952人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紙兎
| 作成日時：2020年1月21日 0時
