□13.欲しい言葉はそうじゃない ページ13
***
結局また、迷惑かけちゃったなぁ…って、反省。
いつもこうだ。
私が自分から彼のために何かをしようとした時は、
かえって彼に迷惑をかけている。
直輝は私にとって凄く凄く大きな存在だけど、
私は彼にとって邪魔でしかないんじゃ……。
.
直輝｢…もうそんな可愛い格好で大学来ちゃダメだよ。｣
｢えっ…、｣
直輝｢またあんなやつがいないとも限らないし。
……って、何その顔、何か不満でも。｣
｢……あっ、いや、違くて……、
直輝も…、可愛いって思った…？｣
直輝｢え、｣
.
気になってしまって、ついポロッとこぼれ落ちた疑問。
今日は色々恥ずかしいことがありすぎて、
どうやら言葉の選択機能が麻痺しているらしい。
でもいいや、この際だから聞いてしまえ。
.
.
直輝｢…可愛いんじゃない。
…世間一般的には。｣
｢……世間一般の話なんか聞いてない。｣
直輝｢…俺の感想とかどうでもいいじゃん。｣
.
それだけ言うと、ﾌｲっと顔を逸らしてしまった直輝。
…あーそうですかそうですか、
私がオシャレしてたって微塵も興味無いですか。
分かってましたよーだ。
.
わかってた、…ことだけど、
いざ口に出されると結構凹む。
きっと彼女にはもっと優しい言葉をかけてあげるんだろうな…、とか思って、更にダメージ。
.
傍にいれるだけでいい、
なんて言いながら、どんどん強欲になっている自分に嫌気がさす。
***
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作者名：紙兎
| 作成日時：2020年1月21日 0時
