□01.ナイトメアは突然に ページ1
***
“お前のせいだ”
“お前さえ生まれて来なければ”
“…ごめんなさっ…、許して…ｯ…〜…”
.
＿＿＿＿＿お前なんかいなくなればいいんだ
.
｢……っ…はぁ、…っ、ぁ、……ｯ…、｣
.
全身が震え上がりそうになるほどの恐怖心を感じて飛び起きると、そこには見慣れた景色。
あれが夢だとわかってからも、
身体の震えと呼吸の苦しさは治まらない。
.
｢……っ、…、｣
直輝｢……また怖い夢みた？｣
｢…な…おき｣
.
不意に聞きなれた声がしてハッと我に返る。
視線をあげればそこには
机で何か作業をしている手を止めて
私の方を振り返っている直輝の姿が。
.
｢…お前…なんか、いなく…なれって、
色んな人が……たくさん……、怖くて…っ、｣
直輝｢いいよ、無理に思い出さなくても。｣
.
開いていたパソコンを一度閉じて、
私の寝ていたベットまで近寄ってきてくれる。
ほら、おいで、と広げてくれた胸の真ん中に
ｺﾃﾝと頭を預ければ大きな手で優しく撫でてくれた。
それだけのことで凄く安心して、
そうすれば涙が止まらなくなる。
あぁ…、やっぱり私は彼がいなきゃ
なんにもできない人間なのだと痛感してしまう。
.
｢…よく…わか…んないけど、怖かった……
…ぅ…っ、…、なおき…っ〜ｯ……｣
直輝｢…はいはい、俺はここにいますよ。｣
***
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作者名：紙兎
| 作成日時：2020年1月21日 0時
