□28.息もできない程の ページ28
***
｢…直輝さ、｣
直輝｢ん？｣
｢…そういうの、ダメだよ…、｣
直輝｢そういうのって？｣
.
あ、ダメだこの人。
自覚ない。
.
｢…直輝、カッコイイし絶対モテるし…。
たまに距離感バカだし…。
そんなふうに優しくされたら
勘違いしちゃって好きになっちゃう人
いっぱいいると思うってこと…！｣
.
直輝｢…A、俺の事カッコイイなって思ってたの？｣
｢そ…っ、そこを拾わないで…！？｣
直輝｢あんまそういうの言われないから、笑｣
.
嘘だ。
絶対カッコイイって言われ慣れてるだろ…！
それくらい直輝の容姿は誰から見ても整っていて、
もちろんカッコイイのは容姿だけじゃないけど。
.
｢…か、…カッコイイ…んじゃないの、
……世間一般的には。｣
直輝｢あ、仕返しされた。｣
｢…だから！近いってば…//｣
.
いつぞやの直輝のセリフを借りる。
.
｢…彼女がいるんだから、
誰にでも優しくしちゃダメだよ…。｣
直輝｢誰にでも優しい訳じゃないよ。｣
｢…？｣
直輝｢大事にしたいなって思う子に優しくしてるだけ。｣
.
再び後ろからギュッて抱きしめられながら、
耳元でそんな爆弾発言を囁かれる。
そのままキッチンから離れていく直輝。
私は息をするのも忘れていたらしく、
彼がいなくなった途端に
“…っはぁ、”と大きな息を吐いて、
その場に座り込んでしまった。
***
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作者名：紙兎
| 作成日時：2020年1月21日 0時
