4 帰省�� ページ6
りりの手元には、開封途中のランダム缶バッジ。
机の上には見覚えのある桃色のグッズの数々が並んでいる。
『それ、もしかして』
「A兄ちゃんの……秋田くんのグッズです」
そっか。そっかぁ〜
机に飾ってあるのも自分で集めた、のかな
こういう時なんて言えばいいんだろう。
凄く嬉しいけど、彼女の顔があまりにも真っ赤で声を掛けづらい。
「あのね…」
『うん？』
「秋田君のグッズ全然引けないの。
いっぱい集めたいのに」
『そ、うなんだ。ありがとう嬉しいな
でもお金は使いすぎちゃ駄目だよ。
自分が本当に好きな物の為に使わなきゃ』
「今本当に好きなのはA兄ちゃんっ！」
『そっかぁ、』
中学生の少ないお小遣い
一体 何ヶ月分使ったんだろう。
花鳥と乱舞祭のグッズ量から察するに、
自分の物なんて殆ど買わずに貯金していたみたいだ。
「これね すっごい頑張って集めたんだ。
だって秋田君、滅茶苦茶人気なんだよ
A兄ちゃん知らないでしょ？」
『知らな…い』
「そうだろうと思った
兄ちゃんスマホとか見て無さそうだもん。
リボンも毎日すぐ売り切れちゃうし、これだってやっと買えたんだよ」
取り出したのは客降り用の名前入りタオル。
袋に入れて大事に保管されている
僕にとっては見慣れた小道具のひとつでも
りりにとっては大事な宝物なんだろうな。
それが刀ミュに憧れていた頃の自分と重なって微笑ましかった。
「でも、自慢の兄が売れっ子で鼻が高いよ」
『僕なんてまだまだだって』
「じゃあこれからもっと人気になるね！
お仕事増えたら、きっとたくさん兄ちゃんのこと見れるよね。
悪役とか…女の子の役とかも見たいな！」
まだ未公開の情報に、一瞬ドキリとする。
さすが昔馴染み すごい慧眼だ。
と、その時りりの笑顔が曇る。
しばらく視線をあちこちに漂わせると、遠慮がちに口を開いた。
「でもね どれだけA兄ちゃんが人気になっても、いちばん初めのファンは私なの。
なんせ一目惚れだったんだからね
…それだけは忘れないで欲しいな」
僕がここに来た一年後、入ってきた りりが初日に告白してきたのは今でも覚えている。
初めに僕の演技を褒めてくれたのも彼女だった。
『うん。忘れないよ
僕が役者になろうって思ったのは、りりが背中を押してくれたお陰だから』
「当然押すよ！A兄ちゃんなら絶対人気になるって思ったもん。
ほらね、その通りだったでしょ？」
『はいはい。敵わないなぁ』
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愛莉(プロフ) - ＊ haru ＊さん» haru様こんばんは コメントありがとうございます！この作品が少しでも日々の励みになっているのならとても嬉しいです！haru様も是非ご自愛ください (2020年8月19日 22時) (
レス) id: 5de24330da (このIDを非表示/違反報告)
＊ haru ＊(プロフ) - こんにちは！とっても面白くて最近はこの作品が更新されることが楽しみで仕方がありません…。素敵なお話をありがとうございます！これからも応援しております！暑い日が続きますが、どうかお体に気をつけてくださいませ(*^^*) (2020年8月19日 14時) (レス) id: 91042359bd (このIDを非表示/違反報告)
愛莉(プロフ) - おもちさん» おもち様 コメントありがとうございます。とっても励みになりました！良ければこれからもよろしくお願いします！ (2020年8月18日 20時) (レス) id: 5de24330da (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 1話目からすっごい面白くて一気に読んでしまいました！応援してます！！ (2020年8月18日 13時) (レス) id: 94d13f240c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛莉 | 作成日時：2020年8月2日 0時
