3 帰省 ページ5
「それじゃあ、また夕方に迎えに来るから」
『ありがとうございます南さん』
「いいのよ 久しぶりにゆっくりしなさい」
バイクの後ろから降りて目の前の門をくぐる。
庭を横切ると、見知った扉が僕を迎えた。
小さく深呼吸をして戸を引く
『ただいま！』
懐かしい匂いに胸がいっぱいになる。
ここは、僕が去年まで暮らしていた孤児院
正月だからと1年ぶりに顔を出しに来たのだ。
「おかえりなさいAちゃん！
元気そうで安心したわ」
『園長こそ 変わりなくて良かったです』
「さぁさ、寒かったでしょ早く上がって
お雑煮あるから食べてきなさい」
1年前と何も変わっていない廊下を進んで、突き当たりの扉を開ける。
食事に使う広い部屋の中では弟達が配膳の手伝いをしていた。
『皆ただいま〜』
こちらに気づいた数人がポカン、と口を開けて手を止める。
一瞬の静寂の後 弟たちは歓声をあげて飛びついてきた。
「うわぁっ兄ちゃんおかえり！」
「どうしたの突然！」
「A兄ちゃんお仕事は？」
『ただいま皆
兄ちゃん、お正月だからお休みなんだよ
はいこれお土産』
持ってきたお菓子を机の上に置くと、一斉に群がっていく
1.2.3. ……あれ？1人足りない。
『りりが居ないみたいだけど』
「あ〜、今はちょっとなぁ」
「いいじゃん！A兄ちゃんが行ってやれば
かなり喜ぶと思う」
『？分かったよ』
含みのある言い方に首を傾げながら階段を上がった。
2階にいくつかある私室は、年齢の近い二三人でシェアしている。
りりは中学生女子組だから…ここかな
真正面のドアをノックする。
すると、中から慌てたようにバタバタと物音が聞こえた。
『りり、入るよ』
「お手伝いならやるからちょっと待って！」
『お土産があるんだけど』
「今大事なとこな、の……A兄ちゃん」
りりは僕の姿を見ると、そのままフリーズしてしまった。
話しかけても返事がない。
気に障ることでもしてしまったかと思ったが、彼女が手に持っているものを見て合点がいった。
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愛莉(プロフ) - ＊ haru ＊さん» haru様こんばんは コメントありがとうございます！この作品が少しでも日々の励みになっているのならとても嬉しいです！haru様も是非ご自愛ください (2020年8月19日 22時) (
レス) id: 5de24330da (このIDを非表示/違反報告)
＊ haru ＊(プロフ) - こんにちは！とっても面白くて最近はこの作品が更新されることが楽しみで仕方がありません…。素敵なお話をありがとうございます！これからも応援しております！暑い日が続きますが、どうかお体に気をつけてくださいませ(*^^*) (2020年8月19日 14時) (レス) id: 91042359bd (このIDを非表示/違反報告)
愛莉(プロフ) - おもちさん» おもち様 コメントありがとうございます。とっても励みになりました！良ければこれからもよろしくお願いします！ (2020年8月18日 20時) (レス) id: 5de24330da (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 1話目からすっごい面白くて一気に読んでしまいました！応援してます！！ (2020年8月18日 13時) (レス) id: 94d13f240c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛莉 | 作成日時：2020年8月2日 0時
