23 空もー飛べるはず ページ25
「Hey！あ げ て け！」
舞台を降りて客席の間を歩いていく。
今日も客降り曲では、お客さんの新鮮な叫び声が響いている。
さっき舞台の上で御手杵さんとすれ違ったから、タオルの色は緑だ。
タオルをぶんぶん回しつつ、僕のうちわはなるべく逃さないようにする。
投げキッスにウインクに笑顔、斬って！なんてのもたまにある
あ、あそこにも……翔んで？
『(翔んで！？)』
それは…僕はどうすればいいんだろう
飛ぶ でも 跳ぶ でもなくて羽ばたく方だ
fly。
とりあえずその場でジャンプしておいた。
センター通路から脇に逸れて細い横通路へ
時間までには所定の位置にたどり着いてなきゃ行けない。
もちろん、自分の歌割りも逃したら大変だ。
『(流石はスーパーアリーナ)』
横幅も広ければ上は５階席まである。
移動だけでも結構一苦労だ
ふと、これから向かう通路に目を向ける。
通路席に 一際低い位置で揺れるピンクのペンライトを見つけた。
小学生ぐらいだろうか
珍しさに少し足が早くなる。
『(え、りり？！)』
そこに居たのは、つい先日会ったばかりの妹
手元のピンクのうちわには“秋田くんこっち見て”の文字が書かれている。
本人とは既にバッチリ目が合ったせいか、信じられないものを見るような目で見つめ返してくる。
身内びいきなんてしたくはないけれど
平静を装って歌いながらも、りりの方が気になって仕方ない。
あ、そうだ！
そろそろ僕のソロパートが来る頃だ。
カメラさんも付いてくれているし、どうせならここで歌っていこうか
「その都度変わる」
『君よ目覚めたまえ』
カメラに向けて歌ったあと、
客席に向き直ってバチッとウインクをする。
ウインクをしたあたりから悲鳴混じりの歓声が上がった。
当のりりは笑顔とも驚愕ともつかない表情のまま固まっている。
兄ちゃんりりのそんな顔初めて見たよ…
内心、ちょっと秋田くんに嫉妬した。
@ーー今日の客降り秋田くん
困り笑いで手パタパタさせて
ジャンプしてて可愛かった。
飛ぶ練習か?
@ーー私が翔んでなんて言ったばっかりに困らせてごめん…
@ーーミュ秋田君なら空も飛べるはず
@ーー秋田くんのウインクで膝から崩れ落ちたお姉さん生きて帰れたかな
@ーー可愛い可愛い言ってきた秋田君のお兄ちゃんfaceの輝きに新たな扉が開いた回
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愛莉(プロフ) - ＊ haru ＊さん» haru様こんばんは コメントありがとうございます！この作品が少しでも日々の励みになっているのならとても嬉しいです！haru様も是非ご自愛ください (2020年8月19日 22時) (
レス) id: 5de24330da (このIDを非表示/違反報告)
＊ haru ＊(プロフ) - こんにちは！とっても面白くて最近はこの作品が更新されることが楽しみで仕方がありません…。素敵なお話をありがとうございます！これからも応援しております！暑い日が続きますが、どうかお体に気をつけてくださいませ(*^^*) (2020年8月19日 14時) (レス) id: 91042359bd (このIDを非表示/違反報告)
愛莉(プロフ) - おもちさん» おもち様 コメントありがとうございます。とっても励みになりました！良ければこれからもよろしくお願いします！ (2020年8月18日 20時) (レス) id: 5de24330da (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 1話目からすっごい面白くて一気に読んでしまいました！応援してます！！ (2020年8月18日 13時) (レス) id: 94d13f240c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛莉 | 作成日時：2020年8月2日 0時
