22 蒼と紅と ページ24
5振りでの“S”が終わって、鶴丸さんと2振りだけ舞台に残る。
息付く間もなく流れ始めたのは
花鳥で僕達が歌ったデュエット曲“翼”だ。
紫がかった照明が桃色と白へ。
スクリーンに映る背景も星空へと変化した。
鶴丸さんと視線をやると、頼もしい笑みが帰ってきた。
『桜の彩りに太陽を隠し あの日の青空へ』
曲は早くもサビに突入した。
楽しいことほど早く過ぎると言うけど、この曲で毎回それを実感している。
実季様のこととか、花鳥の物語とか
色々な思い出が蘇るようなワードが散りばめられているから。
多分主君たちも、僕と同じぐらいエモーショナル？を感じているはずだ
こういうのをエモいって言うんだって、最近教えてもらった。
「この真白に月を忍ばせ 遠い暁の空へ」
2つのピンスポットが照らす中、天井からハラハラと羽根が舞い落ちてくる。
照らされたそれはシミひとつなくて真っ白で
きっと鶴の羽はあんな風に美しいんだろうな
なんて思った。
何色にも染まれるけど自分の色は見失わない
闇すら包み隠してしまいそうな…なるほど確かにあの美しさは鶴丸さんらしい。
『(じゃあ秋田くんは？)』
鶴丸さんの歌声を聴きながら、ふとそんな疑問が浮かぶ。
秋田藤四郎に羽根があったら何色なんだろう
桃色も空色も違う気がする。そんな単純な色じゃない。
まだ分からないけどきっと鶴と同じくらい綺麗だろう
なんて、歌いながら考え事なんてしてる場合じゃなかった。
『雲を抜け』「大地を揺るがす」
「『この翼で』」
衣装をひらりと翻して最後のポーズを決める。
鶴丸さんと背中を合わせると、歓声が上がった。
僕達の目の前を落ちていく羽根は、ライトに照らされて幾度も色を変えていた。
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愛莉(プロフ) - ＊ haru ＊さん» haru様こんばんは コメントありがとうございます！この作品が少しでも日々の励みになっているのならとても嬉しいです！haru様も是非ご自愛ください (2020年8月19日 22時) (
レス) id: 5de24330da (このIDを非表示/違反報告)
＊ haru ＊(プロフ) - こんにちは！とっても面白くて最近はこの作品が更新されることが楽しみで仕方がありません…。素敵なお話をありがとうございます！これからも応援しております！暑い日が続きますが、どうかお体に気をつけてくださいませ(*^^*) (2020年8月19日 14時) (レス) id: 91042359bd (このIDを非表示/違反報告)
愛莉(プロフ) - おもちさん» おもち様 コメントありがとうございます。とっても励みになりました！良ければこれからもよろしくお願いします！ (2020年8月18日 20時) (レス) id: 5de24330da (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 1話目からすっごい面白くて一気に読んでしまいました！応援してます！！ (2020年8月18日 13時) (レス) id: 94d13f240c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛莉 | 作成日時：2020年8月2日 0時
