【刀ミュ】３・最年少の高校生男子は秋田藤四郎になりました

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福岡公演が終わり久方ぶりの東京

僕は一人、事務所の会議室にやって来ていた。

本当なら今日は休演日。
崎山さんと昼まで寝る約束をしていたのに、今朝になって急に南さんから連絡がきたのだ。
マネージャーの南さんは、両親を亡くした僕と家族同然に接してくれている。

最近も僕の引っ越し先を代わりに探してくれているので、てっきりその話かと思っていたのだけれど。


「寒かったでしょ〜まずは座って
今日は大事な話があるから」

『大事な話、ですか？』


南さんの笑顔を見る限り新居のことでは無いようだ。
それならいったい何の…



「実はね




ドラマが決まったの」


どらま、、
ドラマって、あのテレビでやってる？


『嘘っえ、本当ですか！』

「本当よ おめでとうA」


南さんは、まるで自分の事のように喜んでくれた。
今までやったことのない初めてのお仕事。
秋田役が決まった時と同じように二人で抱き合った。




・




お世話になっている崎山さんの家に帰って、ドラマの台本を取り出す。

『…緊張する』

自分でゆっくり読みなさいと渡された分厚い台本を見つめる。
期待と不安の中、ゆっくりとページをめくった


共演者の欄には、ドラマでよく名前を聞く役者さんたち。
それに並んで見覚えのある人たちも居た。


『つばささん！、と佐藤さん』


1人は今は外出中のこの家の家主、それから同じく刀ミュに出演している佐藤流司さんだ。
佐藤さんは今回の乱舞祭には参加していない。
初対面だけど、全く知らない人より何倍も気が楽だった。

そういえばつばささん、もうこの話知ってたのかな？
今までそんな素振りはなかったけど、そうだとしたらやっぱり演技派だ。


『僕の役は…アリス？』


メインキャラクターでは無いけれど、物語の鍵になる役だと聞いた。
それは良いんだけどこれってもしかして

『女の子、だよね』


役の説明には堂々と“女”の文字が。
そうだよね 名前からしてそんな感じがするもの。



うん、きっと新境地になる。
人生二つ目の役が女の子なんて、それはそれですごい事じゃないか。


『よし頑張ろう』

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