14 仙台こぼれ話 ページ16
仙台公演千秋楽 カテコの記憶
「石切丸という。
この地では ずんだ餅 という菓子が有名なんだそうだね」
枝豆、もとい若草色の石切丸さんが積極的にずんだネタに走っている。
もう先の展開が読めるからか、早くも大倶利伽羅さんが脱落しかけている。
「わたしも食べてみたんだけど
あれは確かに私の着物の色によく似ていたよ
ああそう…ずんだ丸、だねえ」
突然の自称に客席がどよめいた。
舞台上からは、前からそう言ってんじゃん という呟きが聞こえる。
『それなら僕が桜餅藤四郎ですね！』
「それなら、とは…」
「おお、秋田も餅か。
では俺が三色団子を務めよう」
「巴まで何言ってるの？」
突然舞台上に誕生した餅餅団子。
ここからどうやって収集つけるんだ、と言いたげな視線をひしひしと感じる。
一旦笑いが止み、客席が静かになったところで2振りと目配せをした。
笑いを押し殺し真面目な顔で声を揃える。
「『「だんご三兄弟」』」
大倶利伽羅さんが俊敏に後ろを向いた。
石切丸さんと巴さんは、客席の反応を待て満足気に笑っていた
・
「ずんだです」「三色団子です」『桜餅です』
『「「三兄弟です！」」』
つばささんに聞かされた時はどうなるかと思ったけど、お客さん達にウケたから上々だ。
カーテンコールにしてはかなり風呂敷を広げてしまったけどそれもご愛嬌。
つばささんがバッチリいい感じに締めてくれたので怒られはしないはずだ。
「いや、3分の2餅やん」
『団子…的な三兄弟です』
カテコの時から何か言いたげにうずうずしていた鳥越さんの鋭いツッコミが入る。
でも、広義の意味では餅じゃないですか。
こんなこと言ったら怒られるかな。
「三兄弟やったら三色団子1本で事足りるん…「油揚げ丸です」」
「おい、それただの好物やろ」
「串団子です」
「それは得意技や。通り魔か」
鳥越さんのツッコミを遮り、ボケるだけボケて颯爽と去っていった2人。
みたらし感を装いつつ、もう団子ですらなかった北園さんに
むしろ串の方の田中さん。
だんご三兄弟、三色団子1本で足りる説は
そのインパクトに消されて有耶無耶になった。
事足り…ませんよね？
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愛莉(プロフ) - ＊ haru ＊さん» haru様こんばんは コメントありがとうございます！この作品が少しでも日々の励みになっているのならとても嬉しいです！haru様も是非ご自愛ください (2020年8月19日 22時) (
レス) id: 5de24330da (このIDを非表示/違反報告)
＊ haru ＊(プロフ) - こんにちは！とっても面白くて最近はこの作品が更新されることが楽しみで仕方がありません…。素敵なお話をありがとうございます！これからも応援しております！暑い日が続きますが、どうかお体に気をつけてくださいませ(*^^*) (2020年8月19日 14時) (レス) id: 91042359bd (このIDを非表示/違反報告)
愛莉(プロフ) - おもちさん» おもち様 コメントありがとうございます。とっても励みになりました！良ければこれからもよろしくお願いします！ (2020年8月18日 20時) (レス) id: 5de24330da (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 1話目からすっごい面白くて一気に読んでしまいました！応援してます！！ (2020年8月18日 13時) (レス) id: 94d13f240c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛莉 | 作成日時：2020年8月2日 0時
