18 本編�� ページ21
――1659年冬・伊勢 朝熊山にて
刀剣男士六振が、物陰から一人の男を観察している。
「あの人が秋田くんの元主だね」
『はい、秋田実季様です
史実通りであれば、あの方は現在蟄居中の身。この後、外の世界を見れぬまま亡くなられます』
実季はこの翌年、年が明けてすぐに死ぬ。
その、予定である。
「随分お年を召しているようだね。僕たちが最後に見た家康さんよりもずっと」
「ああ。あの時の家康公は75歳だったけど」
『実季様は、享年85歳の大往生なんですよ！
…それがあの方にとって良い事だったのかは、僕にも分からないですけど』
「なんでぇただの爺さんじゃねえか。何ができるってんだ？」
「おいおい、じじいの力を侮ると痛い目を見るぞ」
「鶴丸さんの言うとおりだね。ほら見なよ
彼、差してるみたいだよ……刀のこと
とても数ヵ月後に老衰死するようには見えないけど」
「そのようだね」
「！っ皆さん気をつけてください。この気配、時間遡行軍です」
物吉の声で全員が話すのをやめ、本体を構える。
偵察の結果通り、数体の遡行軍が飛び出してきた。
…だが、様子がおかしい。
彼等は実季に刃を向けることなく、それどころか頭を垂れて跪いたのだ。
『い、一体何が？』
「これは…覚えがあるな」
「ああ俺もだ。くそっ、何度見ても妙な気分だぜ」
顔をしかめた和泉守と鶴丸は、遡行軍を従える人間という
構図をかつて見たことがあった。
土方歳三、そして結城秀康。
なるほど、己が今回の任務に選ばれた理由はこれか。二振は神妙に顔を見合せた。
「骸の兵士達よ 今こそ我らが集う時ぞ」
遡行軍に向けて実季が叫ぶ。
元主の狂気に満ちた笑顔に、秋田が思わず後ずさる。
「全てはあの憎き徳川を倒すために！」
そう告げた、瞬間だった。
過去の任務で徳川に深く関わった三振りが本体を構えて飛び出して行った。
狼狽する実季を横目に、遡行軍と刀剣男士が対峙する。
「な、なんじゃ貴様らは！」
「徳川の世は、三百年続かなくてはならない。それを邪魔するというのなら…」
「ふふ、殺しちゃうかもね」
「僕たちがお守りするんです！」
感情的な三振りの様子に、妙に楽しげな鶴丸があちゃーと呟いた。
動揺する秋田とは対照的に、どうやらこの事態は彼にとって愉快な驚きの範疇らしい。
『っこうなったら戦うしかありません！皆さん戦闘準備を！』
「よし、いっちょやってやろうじゃねぇか！」
「あぁ。大船に乗ったつもりで任せておけ」
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愛莉(プロフ) - あんのお餅さん» あんのお餅様コメントありがとうございます。3年ぶりの祭、テンション上がりますよね！今からとても楽しみです！ (2021年11月16日 1時) (
レス) id: dbfedac61a (このIDを非表示/違反報告)
あんのお餅(プロフ) - 真剣乱舞祭、決定しましたね！ (2021年11月16日 1時) (レス) @page46 id: 436e739fd5 (このIDを非表示/違反報告)
愛莉(プロフ) - 那智さん» コメントありがとうございます！こちらこそ、この作品を読んでいただけていること感謝しております。那智様にとって素敵な一年になりますように( ´ ` *) (2020年6月9日 19時) (レス) id: 5de24330da (このIDを非表示/違反報告)
那智 - 誕生日にこの作品に出会えて感謝感激です(≧▽≦)毎日暑いので無理されませんようお気をつけ下さい (2020年6月9日 13時) (レス) id: fb12e35feb (このIDを非表示/違反報告)
愛莉(プロフ) - ヌーマイトさん» コメントありがとうございます！これからも投稿続けていきますのでよろしくお願いします (2020年5月28日 16時) (レス) id: 5de24330da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛莉 | 作成日時：2020年5月23日 14時
