９ がんばります、先輩 ページ11
殺陣稽古の鬼門の一つは、終盤にあるワンシーン。
遡行軍と刀剣男士が全員舞台上に登場し、入り乱れながら戦うのだ。
「じゃあ行きまーす…スタート！」
登場は上手から。
遡行軍を倒しつつ、下手出口を目指して突っ走る。
戦っている青江さんの真横を通り抜けるので、タイミング調整はますますシビアになる。
「えいや！」
向かってくる遡行軍を斬りつけ出口を目指して走る。走る。
立ちはだかる敵の腹を蹴り、開いた隙間を通り抜け…
「はい、いったん止めます」
いざ最後の遡行軍と対峙しようとした時
殺陣の最中にも拘らずストップがかかってしまった。
「えー まず笹沼
確かに急ぐシーンではあるんだけど、全体的に雑すぎ
お前自身が焦ってどうするんだ」
『すみません』
カウントに合わせることに必死で、細かいところまで気が回らない。
素地が有るだけあってすぐに動けるようになったは良いが、そこから上達していかないのだ。
練習と経験不足を痛感する。
『(どうすれば…)』
休憩時間、録画してもらった映像を確認する。
確かに、一つ一つの動作に重みがないのが分かる。
焦っているのもよく分かる。
一人で自主練する時はうまく出来ている気がするのに。
『(やっぱりもっと客観的な意見がほしい
それに、相手がいない練習じゃ限界がある)』
とはいえ、先輩方はそれぞれ個別の稽古がある。
貴重な休憩を僕に付き合わせる訳にはいかないし…
「A、お疲れ」
『え、あれっ荒木さん？』
映像と睨めっこしていると、いつの間にか
荒木さんが目の前に立っていた
『まだ稽古中じゃ…
あ、僕もしかして時間すぎてます！？』
「いや、まだ十分は休憩あるでしょ
俺も今から休憩」
『そうだったんですか
すいません。時計も見るの忘れてて』
「だいぶ集中してたもんね
それで、どう？上手くいきそう？」
『いやあ、はは…すいません』
優しさが妙に痛くて、思わず下を向く。
こんなことも出来ないのかと失望されるだろうか
「よし。特訓するか」
『え？…あの、』
「後輩は先輩に頼るもんだよ」
『でも荒木さん歌稽古はっ』
「ひと段落ついたから大丈夫」
荒木さんはあっけらかんとそう言うと、
すぐに自分の刀を手に、アンサンブルさん二人を連れて
戻ってきた。
『僕なんかに、いいんですか』
「いいから。そのための先輩でしょ」
『っ！
は、はいよろしくお願いします』
「よし、じゃあそこの初めからね」
『はい！』
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愛莉(プロフ) - あんのお餅さん» あんのお餅様コメントありがとうございます。3年ぶりの祭、テンション上がりますよね！今からとても楽しみです！ (2021年11月16日 1時) (
レス) id: dbfedac61a (このIDを非表示/違反報告)
あんのお餅(プロフ) - 真剣乱舞祭、決定しましたね！ (2021年11月16日 1時) (レス) @page46 id: 436e739fd5 (このIDを非表示/違反報告)
愛莉(プロフ) - 那智さん» コメントありがとうございます！こちらこそ、この作品を読んでいただけていること感謝しております。那智様にとって素敵な一年になりますように( ´ ` *) (2020年6月9日 19時) (レス) id: 5de24330da (このIDを非表示/違反報告)
那智 - 誕生日にこの作品に出会えて感謝感激です(≧▽≦)毎日暑いので無理されませんようお気をつけ下さい (2020年6月9日 13時) (レス) id: fb12e35feb (このIDを非表示/違反報告)
愛莉(プロフ) - ヌーマイトさん» コメントありがとうございます！これからも投稿続けていきますのでよろしくお願いします (2020年5月28日 16時) (レス) id: 5de24330da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛莉 | 作成日時：2020年5月23日 14時
