71、木漏れ日 ページ29
Aside
「ん…」
オウニ「A」
「…ぅん…オウニ…」
オウニ「やっと起きたな」
目を開けた先には、監獄の格子窓から注ぐ日の光に、壁にもたれかかりながら私を見るオウニの髪がきらっと輝く様子が見えた。
「おはよ…オウニ」
私が柔らかく答えると、オウニは顔を前に戻してから、「よく眠れたか」と聞いた。
「うん、寝心地は悪いけどね」
私は身体を起こし、腰を伸ばす。
「うーーーん…はぁ…。うん、やっぱり地下って感じだね」
オウニ「お前の部屋のことか？」
「うん。懐かしいや。匂いが地上とは全然違うし、空気が重いし、寒いしね」
そう言って、寝ていた時に服に付いた湿った砂を片手で払った。
「私、また何日も寝てた？」
オウニ「…まあな」
「…そういえばチャクロは？」
オウニ「さっき釈放された」
「あ…そうなんだ」
オウニ「無理矢理連れて行かれた、と誰かが証言したらしい」
「まあ、間違いではないよね」
どちらかと言うと最終的にはチャクロ自身が決めてたけど。
「私、また何日も寝てたの？」
オウニ「３日だ」
「……いつもごめんね」
オウニ「別に。もう慣れた」
「そっか…」
オウニ「そりゃ心配ではあるけどな」
「えっ？」
オウニ「…腹減ったか」
「あ、うん。お腹は減ってる」
オウニ「おっさんが来たらAの分の飯も頼まないとな」
「うん」
オウニはどんな気持ちで、私が起きるのを待ってるんだろう。
そんなことは、私には到底分かりはしないんだろう。
彼の感情を読むのは、とても難しい。
だからこそ知りたいと思うんだ。
そのあと、すぐにマソオ兄さんが来て、私たちに朝ごはんを持ってきてくれた。
案の定、私が起きていたことに、監獄の格子にしがみついて嬉し泣きしてくれた。
マソオ｢今日はオオマサゴチクのタケノコがたくさん採れたんだ。A、腹いっぱい食べろよ！｣
｢ありがとう、マソオ兄さん！｣
やはりそのタケノコと野菜の炒め物は美味しかった。
オウニもタケノコが好きだから、いつもより早いペースでご飯を食べている。
｢美味しい？｣
私がそう聞くとすぐに、「別に」とだけ答えて、また食べだした。
そんなオウニに私はただただ微笑んでいた。
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姫乃(プロフ) - 鈴さん、ありがとうございます！そんなー！嬉しいです！読んでくださるだけでもありがたいのに、面白いだなんて、楽しみだなんて！！中間考査中にも更新出来たらしますね！ (2018年5月10日 0時) (
レス) id: 9a7901e607 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - すごく面白いです！！いつも楽しみにさせてもらってます。更新頑張ってください！応援してます！ (2018年5月9日 22時) (レス) id: 8f94786c83 (このIDを非表示/違反報告)
姫乃(プロフ) - ああ！！��(ﾟДﾟ)ありがとうございます！忘れていました！！！ (2018年4月15日 16時) (レス) id: 12f13cd074 (このIDを非表示/違反報告)
はら - オリジナルフラグ外して下さいねー (2018年4月15日 16時) (レス) id: c7490cab95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：姫乃 | 作成日時：2018年4月15日 16時
