早く追いつきたい③ (ページ28)

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もしかして嫌われ者① ページ28

A side

リハ中も不安と学校のことでいっぱいいっぱい。

フードを被ってうずくまってるのが

1番落ち着く。

史緒里さんが来て声をかけてくれていたけど

返事をする元気も残っていなかった。

史緒里さんがリハに戻ってしまって

少し寂しくなっていると足音がした。

史緒里さんもう戻って来たのかな。

「……あっ………」

スタ「ちょっと話あるから来て」

「はい……」

言い方が強めで少し苦手なスタッフさんに

呼び出されて嫌な予感しかしない。

その予感は見事に的中。

スタ「1週間遅れてるのは分かってる。でもその1週間何してた？みんなから動画貰ってみた？自分は乃木坂46っていう自覚あった？悪いけど、そういう風には見えないよ今の秋元」

「ごめんなさい……」

スタ「謝罪じゃないの、振り付け入ってるんだよね、そろそろ4期だから戻っていいよ」

そう言って私が戻るより先に

スタッフさんが戻って行った。

さくら side

4期生のリハが始まる直前。

遠藤「あれっ、Aどこいった？」

矢久保「大丈夫かな……」

Aの姿が見えなくて

みんなで付近を探していた。

「みんなごめん、お待たせ。」

探し始めてすぐにAは戻ってきた。

無事リハが始まって

I see…を披露したんだけど、、、

『秋元！リハなのに振り入ってないのか？』

「えっ、あ、ごめんなさい！」

この一週間の間に少し変わった演出を

入れていたけどAは参加できていなかった。

スタッフさんが伝えておくって言ってたんだけどな。

Aの事情を知らない演出家さんは

イライラしていた。

その後何回やってもAが遅れてしまった。

そしてついに…

『おい！もう別でやってくれ！今は無理だ！』

Aだけ4期生の中ではなくて別で練習してくるように

言われてしまった。

ほかの4期生もAを心配そうな目で見つめていた。

「すみません……みんなもごめん」

今にも泣きそうな顔でAは頭を下げた。

その後何回か通しが終わって5期生のリハに移った。

田村「A大丈夫かな、、？」

賀喜「絶対傷ついちゃったよね」

筒井「A泣きそうだった…」

4人で話しながら廊下を歩いていると

史緒里ちゃんに慰められている

小さな背中が見えた。

その小さな背中はAだった。

完全に泣いていた。