早く追いつきたい③ (ページ14)

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誰よりも会いたかった人ページ14

真夏side

撮影が終わってみんなより
一足先に東京に戻った。

飛鳥の家をめざしてタクシーに乗った。

飛鳥は大丈夫と言ってくれるし
落ち着いてきたよって伝えてくれたけど
どうしても心配。

1番会いたくなかった人達に会ったんだから。

私はその時そばにいてあげられなかった。

昔みたいに戻っちゃうんじゃないか
って心配だった。

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

飛鳥「おつかれ〜今行くね」ﾌﾟﾂｯ

インターホンが切れると
1分ほどして扉が開いた。

扉が開くとAがすぐに飛び出してきた。

飛鳥「ずっと真夏のこと待ってたよ笑」

「………」

真夏「飛鳥ほんとにありがとうね」

飛鳥「ううん、ごめんね」

「…飛鳥さん…」

飛鳥「なに〜？」

「飛鳥さんいなかったら…怖かった……っ」

飛鳥「また元気になって戻っておいで？」

真夏「ありがとうね、また連絡する！」

飛鳥にそう伝えて下で待ってもらっている
タクシーに戻った。

タクシーに乗っている間は
特に話そうとはせずに背中をさすっていた。

家に着くとAはすぐに抱きついてきた。

真夏「A、ごめんね…」

「……怖かったよ…っ」

Aの口から少しずつ喋ってくれるようになった。

あんまり思い出させたくはないから
細かいことは言わなくていいよって伝えると
Aはとにかく怖かったと繰り返した。

「お姉ちゃん居ないんだもん…っ」

真夏「ごめんね、怖かったね…」

こういう時私は背中をさすったり
大丈夫だよということしか出来ない。

それでもAは家に帰ってきて
落ち着いたのか少し眠そうな顔になってきた。

真夏「寝よっか？」

「ｺｸﾝ」

寝室まで行ってベットに入ると
眠そうだったAが話出した。

「私もっと頑張りたい…
私頑張ってるよっていうのが
みんなにわかるくらい頑張るから」

真夏「うん、でも無理はダメだよ？」

「お姉ちゃんは私のこと助けてくれる？」

真夏「もちろんだよ」

頑張りたいのはみんな同じ。

Aがもし困ったことがあったら
何でもして助けたい。

何日か休むとAの顔色も良くなってきた。

「私、乃木坂頑張りたい」

真夏「活動戻る？」

「うん、そうする…笑」

やっぱりAの居場所はここなんだって

Aの表情から悟った。