早く追いつきたい (ページ8)

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ちょっとずつ④ ページ8

Aside

「失礼します…。」

飛鳥「Aちゃーん、ここだよー」

私を呼んでいたのは
やっぱり大好きな飛鳥さんだった。

「秋元…Aです。13歳です。
よろしくお願いします…」

飛鳥「はは笑そんな緊張しないで笑
ここ座って！となり！」

飛鳥さんに言われた通り
深呼吸をしてお隣の席に座らせてもらう。

飛鳥「4期生売り込みは一緒だからよろしくね！
Aって呼んでもいい？？」

「…あ、全然…大丈夫です」

飛鳥「売り込みで何か言いたいことある？」

「……。」

飛鳥「じゃあ、特技とかで、質問形式にしよっか」

「はい…」

飛鳥「なんか得意なことある？」

「バレーボールです。」

飛鳥「バレーボールか、じゃあ私とやろう。
あとは性格とか雰囲気とか話したいから
残りの時間は適当にお話しよう。」

飛鳥さんは私のことを
とても気にかけてくれた。

周りを見ると緊張している子もいるけど
みんな私よりもしっかり受け答えしていて
ペアの先輩も楽しそう。

「……ごめんなさい…」

私は気づいたら謝っていた。
申し訳なかった。
飛鳥さんならもっといい子をいい感じで売り出せる。

飛鳥「え？笑なにが笑泣いてるし笑」

山下「あ、飛鳥さん泣かせたんですか？笑
後輩が泣いてるの見てまた
笑ってるじゃないですか笑」

飛鳥「ごめん、ごめん笑かわいいなぁって！」

私と美月さんとペアのかっきーは
目の前で飛鳥さんと美月さんが
お話している光景にびっくりした。
ずっとテレビの向こうで見ていた会話だったからだ。

「…本当はちゃんと話したくて…」

飛鳥「ちゃんと分かってるからゆっくり話そう？」

思っていた何倍も飛鳥さんは優しかった。
そこから4期生売り込みの内容はすぐ決まって
少しずつだけど飛鳥さんの前なら
笑えるようになった。