早く追いつきたい (ページ29)

今日:24 hit、昨日:12 hit、合計:81,523 hit

やさしい先輩① ページ29

真夏side

家を出る準備をして
最後にAの熱を計る。

38.9。

戻っていた。
小さい頃からよくあるから
特に驚きはしなかったけど
何回見ても苦しそう。

体調が悪くて寝ることも出来なさそうで
タクシーまでゆっくり一緒に歩いていった。

Aの家まで行って
ベッドに横にならせた。
ベッドの横の棚にビニール袋や冷えピタ
体温計などを置いておいた。

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

飛鳥「おはよう〜どう？」

真夏「うーん、夜は飛鳥に会えるって喜んでたけど
朝起きて戻しちゃって今もう寝れなさそうな感じ
ごめんね頼んじゃって。」

飛鳥「大丈夫だって。もう仕事でしょ？
気にしなくていいから。任せて。」

飛鳥が頼もしかったのでそのままお願いして
私は仕事の方に向かった。

飛鳥side

飛鳥「Aおはよう。大丈夫？」

「おはようございます…あんまり…」

飛鳥「きついね。寝られそうなら寝なよ？」

顔色は昨日とあまり変わらず
苦しそうな顔をしていた。

飛鳥「ここにいるからなんかあったら言ってね」

「飛鳥さん、私乃木坂に居ていいんですかね…」

Aは昨日のスタッフさんのことを気にしていた。

飛鳥「何言ってるの笑大丈夫だから。
Aは必要な存在だから。私が守るから。」

「ｸﾞｽｯ…ありがとうございます…泣」

飛鳥「泣かないの笑」

その後少し寝てご飯を食べたら少し良くなったようで
私が移動する度にその後ろを着いてきた。

飛鳥「なに笑」

理由を聞いてもにこにこしているだけで
何も答えない。
慣れてきたのか私にも
素を見せてくれるようになってきた。

飛鳥「A…お薬…」

「…！いや！」

表情が一変して私から逃げ始めた。
そんなに体力も戻っていなかったので
すぐ捕まえられた。

膝の上に座らせて逃げられないようにすると
大人しく薬を飲んだ。

飛鳥「はい、偉かったね〜」

涙目になって私の膝の上から離れない。
まだまだ子供だ。

飛鳥「もっかい熱計ろっか」

私が来てからまだ計っていなかったので
計ると37.6℃。

「下がった〜」

飛鳥「あとちょっとだね〜」

「飛鳥さん、映画みたいです〜」

飛鳥「そうしよっかー！」

Aはテレビをセットしてくれて
何を見るのかと思ったら
あの頃キミを追いかけたをつけてこっちを見てきた。

「飛鳥さんかわいい〜！」
「ここ好き〜！」

意味もよく分かってないくせに
騒いでいる。

見終わって横を見るとすやすや寝ていた。