早く追いつきたい (ページ23)

今日:30 hit、昨日:12 hit、合計:81,529 hit

やればできる④ ページ23

スタッフさんの声が気になったけど
このまま、また先輩に頼ってしまったら
余計スタッフさんに言われてしまうと思って
自分で行ってみることにした。

スタッフさんの方に向かう時
視界が揺れてふわふわしていたけど
そんなの気にしなかった。

「あ、あの、直接言ってください…」

スタ①「なに？」

スタ②「こいつ何言ってんの？」

「ずっと言ってるの…私のことですよね…」

スタ①「はぁ、そうだけど。
だって本当のことでしょ？調子乗ってるじゃん。」

「そんなこと…ないですよ…」

スタ②「何怒ってるの笑顔赤すぎるでしょ笑」

そんなに顔赤いかな。
スタッフさんに自分で言いに行ったけど
もう立ってるのが精一杯で
話が入ってこない。

スタ②「おい、聞いてんのかよ！」

ﾄﾞﾝｯ。
肩を押された。
そんなに強くないはずなのに
力が出なくて後ろに転んでしまった。
勇気を出したのに何も変えられなくて悔しかった。

飛鳥side

Aがお手洗いに行って帰ってこないから
楽屋で待っていることにした。

誰もいなくなって少し経つと
戻ってきた。

なんか顔色悪いし下ばっかり向いている。
バスまで一緒に行くって言うと思って
誘ってみたけど断られた。
いつものAならニコニコしてくれるのに。
そういう時もあると思って1人にさせたけど
やっぱりどうしても気になった。

MVの全体撮影が終わって
モニターによって確認していると
まいやんに呼ばれた。

白石「ごめんね、なんかAの
肩触るシーンあるでしょ？振り付けで。
さっき触ったらすごい熱かったんだけど
体調悪いとかきいてない？」

飛鳥「レッスンの時も熱い気がしたんだけど
本人踊りすぎただけって言ってたから
気にしてなかった。」

白石「あとなんか反応が薄いっていうか、
いつものAっぽくないんだよね。」

やっぱりまいやんもそう思うか。

飛鳥「だよね…本人にも聞いてみるわ。」

確認が終わった今がチャンスと思って
Aを探すけどみつからない。

全体を見ると奥の方にいるスタッフさんの方に
歩いていくAの姿があった。
その歩き方はフラフラで今にも倒れそうだった。
体調悪かったんだ。

違うスタッフさんに毛布をもらって
Aの方に向かうと
なんだか言い争っているようで。

でもAは途中から俯いて反応していない。
やばいと思ってかけよると
そのスタッフさんはAを突き飛ばした。