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……実に暇だ。







今日、幼馴染みの友人と合うはずが、すっぽしやがったあの野郎。……まあ、妹ちゃんの事で忙しいだろうから笑って許したけど。









暇だ。








せっかく外出用の服を着て来たのにこのまま帰るのは勿体なくて、このカフェで1人寂しくチョコパフェ食ってるんだけど……あー寂し、彼氏作ろっかな。









「あーあ、どっかに良い出会い落ちてないかなー」

「へー、彼氏欲しいんだ?」

「そりゃあ…………









ん?」








何故男の声がするのだろうか。






しかも聞き覚えのある声なのは気のせい?









「えー、俺いつでも歓迎だって言ってるじゃん」

「やっっっぱりお前か!!!!
灰谷兄!!!」


いつの間にか私の横に座っていた男、それは馴染みのストーカーだった。



「俺の名前蘭な?」

「知ってる、でも呼ぶかよ」

「呼んで?」

「失せろストーカー」




無駄に綺麗な顔をしているこの男は3ヶ月ほど前に弟と突如現れ、私のストーカーだとカミングアウトしてきたのだ。あんなにも嫌なカミングアウトはないと思う。



その時の発言。




「昨日この服買ってたろ?俺もお揃いにしたん
だよね〜♡」(兄)

「俺は靴な」(弟)



私が買ったアウターと靴を見事に揃えていたのを見て、人間が1番苦しむ惨殺方法を考えたものだ。

どうやら私の日常行動を監視しているらしく、こうやってたまに姿を現す。




「暇なのか、暇なんだな???」


「まさか〜、時間が空いたの時に観察してる
だけだし」


ちなみに、昨日は竜胆が観てたはずだよ、とか言われるもんだから普通に背筋凍った。コイツら気配というものを何処に捨ててきたのか、全く気づかない。
警察に相談してもダメだった。だって尻尾すら掴めないんだし。



「そのパフェ美味しい?」

「やらんぞ」

「え、何その顔可愛い〜♡」

「目ん玉えぐり取られたい???」




あ、なんか昨日の春千夜さん既視感あると思ったら、コイツとちょっと似てる。


話しが通じない所とか。話しが通じない所とか。話しが通じない所とか。




「なあ灰谷兄」

「ん?」

「ストーカーやめてくれる?」

「は?ストーカーじゃねぇし。ペット観察してる
だけなんだけど」

「何故にペット」

「だってお前ペットじゃん」

「お前そーゆーところだからな?」




私達には通訳が必要な気がする。だって日本語喋ってくれないから。これだからイケメンはよ!!!

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作者名:薄桃桜 | 作成日時:2021年8月3日 20時

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