フェンス越し【ツイステ】【ラギー・ブッチ】 (ページ4)

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ーラギーsideー

『私のお父さん、お偉いさんじゃないの。』

不信に思って名前を聞いてみる。

ﾗｷﾞｰ「君、名前は？」

『A・マールム。』

マールムって…確か夕焼けの草原で悪事を働いてるギャングじゃ…

ﾗｷﾞｰ「君のお父さん、ギャングってヤツっスか？」

『…うん。』

『盗みもやってるし、暴力暴言は当たり前。それに…』

ﾗｷﾞｰ「それに？」

『殺しちゃってるし…』

ﾗｷﾞｰ「…」

オレが黙ったままでいたら、顔を背けた。

ﾗｷﾞｰ「君のお父さん、相当極悪人っスね。」

『っ、ごめん…』

ﾗｷﾞｰ「何で君が謝るんスか？」

『え…』

ﾗｷﾞｰ「君はAちゃんで、君のお父さんとは別人じゃないっスか。オレ、君を見た時どこかのお嬢様かと思ったっスよ。」

そう言って笑うと、その子は片目を大きく開いた。
さっきまで曇っていた目が晴れて、透き通るように綺麗な黄色の目になった。

『…許してくれるの？』

ﾗｷﾞｰ「君は何にもやってないでしょ。だから許すも何も、オレは何にも言わないっスよ。」